研究課題/領域番号 |
19K08899
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
井田 弘明 久留米大学, 医学部, 教授 (60363496)
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研究分担者 |
海江田 信二郎 久留米大学, 医学部, 准教授 (20330798)
山崎 聡士 久留米大学, その他部局等, 准教授 (30367388)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Pyrinインフラマソーム / MEFV / E148Q |
研究実績の概要 |
Pyrinインフラマソームの活性化機構の解明、特に本邦に多いMEFVエクソン2変異の意義の解明が本研究の一番重要なポイントである。昨年度から継続的に行ってきたiPS細胞研究の分化がうまくいかず、MEFVエクソン2変異E148Qの意義について、不明熱患者の臨床像、遺伝子変異で解析を行った。 1)周期熱患者におけるMEFV遺伝子E148Q変異の重要性を検討した。【方法】2011年3月から2020年3月までに紹介された周期熱を有する211症例を対象とし、臨床像の解析と次世代シーケンサーによる遺伝子解析を行った。【結果】周期熱患者199例のうち、137例(68.8%)が臨床的にFMFと診断された。E148Q変異を含むコンパウンドヘテロ接合グループは、E148Q変異ヘテロ接合グループよりも、FMF診断率が有意に高かった(P = 0.036)。 2)これまでに発表されたE148Q変異論文の内容を調査した。【方法】PubMedでのE148Q検索では333論文が抽出され、その内容を検討した。【結果】抽出された333論文のうち、E148Q関与に関する論文が21論文(肯定的な論文が12論文、否定的な論文が6論文、エクソン10変異と比較して関与が低いと結論した論文が3論文)あった。関与に肯定的な論文のうち、E148Q変異に他の変異が加わることでFMFへ進展する可能性を示唆する論文が4論文あった。また、E148Q変異のあるFMF症例報告が73論文、FMF以外の疾患とE148Q変異に関する報告が97論文あった。【結論】 周期熱患者の遺伝子解析とE148Q変異のシステマティック・レビューから、E148Q変異は単独では影響を与えないが、E148Q変異に他のMEFV変異が加わることで他のリスク対立遺伝子の修飾因子として作用し、疾患感受性に対する閾値を低下させ、FMF発症に寄与する可能性が示唆された。
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