研究課題/領域番号 |
19K08901
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研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
藤田 昌昭 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 研究員 (60421377)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | CRP |
研究実績の概要 |
〇monomeric CRPに対するモノクローナル抗体作製及びサンドイッチELISAの構築 5量体のCRPからウレア/EDTA法によりmCRPを作成した。mCRP作製はNative電気泳動にて確認した。作製したmCRPでマウスを免疫し、ウエスタンブロットにて血清中での抗体産生を確認した。マウスのリンパ節を回収し、ミエローマ細胞と細胞融合させ、融合細胞は単一クローンになるように96ウェルのプレートで培養し(100プレート)、得られた細胞培養液から反応性の高い抗体を再度スクリーニングした。pCRPには反応せずmCRPを特異的に検出するサンドイッチELISAの構築を行った。 〇自己免疫疾患患者におけるmCRPの役割の検討 血液中の単量体CRPを検出できるELISAシステムを構築し、患者由来の血液サンプルを用いて測定を行った。約200症例の自己免疫疾患患者のうち、約20%の患者群でCRPを検出することに成功した。さらなる症例の蓄積は必要であるが、自己免疫疾患の新規診断方法として大いに期待できることを示唆している。 〇腹膜炎モデルマウスを用いたmCRPの役割の検討 Thioglycollateの腹腔内投与により、腹腔内への炎症細胞の遊走が刺激される。通常、24時間後には好中球、48時間後には単球の遊走がピークになる。このモデルではThioglycollate投与後に腹腔内の炎症細胞数をカウントすることにより、簡便に炎症反応の程度(腹膜炎)を把握することができる。作製した抗mCRP抗体がThioglycollate誘導性腹膜炎を抑制するかどうかを検討した。mCRP に対する抗体の一部はThioglycollate誘導性腹膜炎を抑制した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では患者由来の血液を用いて測定を行っている。2020年1月以降はCOVID-19の影響もあり、確保できた患者血液サンプル数が、当初の見込みよりやや下回った。
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今後の研究の推進方策 |
さらなる症例の蓄積があるため、他施設にも検体採取を依頼し、検体採取・解析にかかる時間の短縮を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該助成金額は8617円であり、ほぼ予定どうりの出納であった。2020年度も消耗品購入や動物購入費・動物維持費に充当する。
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