研究代表者は、抗プリオン蛋白質抗体(抗PrP抗体)を前投与したインフルエンザAウイルス(IAV)感染マウスの肺のマクロファージでは、Src family kinase(SFKs)タンパク質のリン酸化が起こり、抗炎症性(M2)マクロファージに分極していることを確認した。すなわち、IAV感染で重症化するマウスの肺では炎症性(M1)マクロファージが増加して「サイトカイン・ストーム」を引き起こすものと考えられるが、抗PrP抗体はマクロファージに作用してM1マクロファージへの分極を抑制し、M2マクロファージの分極を誘導して「サイトカイン・ストーム」を回避する効果があることを実証した。
|