ファビピラビルはウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害するため、多くのRNAウイルスの増殖を阻害する。今回、新型コロナウイルスの突然の流行によりファビピラビルの治験等も行われたが承認には至らず、抗ウイルス薬の承認にも時間がかかり社会的にも大変な混乱が生じた。 一方で、フラボノイドのトリシンがDNAウイルスにもRNAウイルスにも抗ウイルス活性を持つことと、それが宿主のCDK9を標的としていることを明らかにしてきた。高病原性ウイルス感染症に対する広域スペクトルを有する物質の発見が熱望されていたため、天然物由来のフラボノイドに着目し抗コロナウイルス活性を有する物質を探索することとした。
|