ハンセン病の症状や感染の重篤度には、宿主免疫が関わっている。しかし、どのような分子機構によって、Th2免疫応答が優位となるL型の病態を呈するか不明である。近年、L型ハンセン病のバイオマーカー候補として、免疫グロブリン様受容体LILRA2が同定された。ハンセン病病変におけるLILRA2発現を解析するため、ハンセン病皮膚病理組織13例のサンプルで、LILRA2-Fc融合タンパクによる結合物検出を試みた。その結果、陽性細胞はハンセン病皮膚組織に認められたが、感染細胞ではなく、肥満細胞で陽性反応が認められた。肥満細胞は非特異反応が多いため、本所見と病態との関連につき、更なる検討が必要と考えられた。
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