研究課題/領域番号 |
19K08955
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
今村 圭文 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (90467960)
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研究分担者 |
柳原 克紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40315239)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺非結核性抗酸菌症 / 腸内細菌叢解析 / 簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ) |
研究実績の概要 |
本研究では肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)の発症および進展に腸内細菌叢が深く関わっていると仮定し、肺NTM症における腸内細菌叢の影響について患者腸内細菌叢の解析や肺NTM症マウスモデルを用いた病態解析を行う。 本年度は予定していた臨床研究を開始し、臨床研究計画書に沿って基準を満たす患者のエントリーを開始した。エントリーに同意が得られた患者に対して気管支鏡検査等の精査により臨床的な診断を行い、また、採血、胸部画像検査、アンケートによる患者背景調査、食習慣調査、および便を採取し腸内細菌叢解析を行った。現在までに11例のエントリーがあり、共同研究施設である国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所で腸内細菌叢解析を行い、食習慣調査については簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いて行い、研究協力機関であるジェンダーメディカルリサーチ社で解析を行っている。 現在、エントリー開始してから約10ヶ月で11例の登録があったが、現在のペースでは研究期間内の十分な症例集積が困難であることが予想された。そのため、当院のみでの症例登録では不十分であると判断し、本年度は追加で2施設(独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器内科および昭和大学藤が丘病院呼吸器内科)に共同研究施設として参加して頂くことになった。両施設での臨床研究倫理委員会での審査も終了し、間もなくエントリーが開始となる。 当院ですでに肺NTM症と診断した症例については数例で治療適応と判断し、標準的な治療を開始した。今後、治療の効果判定と腸内細菌叢の再解析を行い、治療効果と腸内細菌叢の関連性についても評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題において最も重要な臨床研究を開始することができた。現在まで11例の登録があり、全症例において予定していた臨床的検査(気管支鏡等)、採血、胸部画像検査、アンケートによる患者背景調査、食習慣調査、および便を採取し腸内細菌叢解析を行なうことができたが、更に症例数を増やす必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
当院での症例登録を更に推進し、また、新しく共同研究施設として参加して頂いた2施設でも登録をすすめる。登録状況をみながら、必要であれば更に共同研究施設を増やすことも検討する。 これまで採取した便の腸内細菌叢解析結果と、臨床診断、各種アンケート調査の結果をリンクさせながら、肺NTM症の病態と腸内細菌叢の関連性についての分析をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より症例登録数が少なかったこと、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、学会参加のための旅費の使用が少なかったこと、マウス実験がまだ未施行であったことなどから次年度使用額が生じた。次年度は共同研究施設が加わり、症例数が大幅に増えることが見込まれるため、腸内細菌叢解析に必要な試薬等の消耗品や、実施予定だったマウス実験のためのマウス購入等に使用予定である。
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