研究課題/領域番号 |
19K08956
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
坂上 拓郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00444159)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 抗インターフェロンγ自己抗体 / 非結核性抗酸菌症 |
研究実績の概要 |
令和2年度に引き続き、令和3年度にも国内の各施設より37症例のNTM症より採取した血清検体の抗インターフェロンγ自己抗体の測定を受託した。ELISAによる濃度測定とフローサイトメーターを用いた中和能解析を行い16名の陽性例を見出した。陽性例は全てが播種性NTM症例であった。また、実臨床においては本抗体測定システムは整っていないことから、汎用的にスクリーニングを行える方法が求められている。海外からの報告では結核感染のスクリーニング検査であるQuantiferonにおいて、陽性コントロールが検出されずに判定不可となることが有用である可能性が報告されており、我々のデータでも検討を試みた。既報同様に、抗体陽性でQuatntiferon検査を施行している全例で判定不可の結果であり、本邦においても確認が得られた。また同様に結核のスクリーニング検査であるT-SPOTにおいてはその一貫性はなく抗IFNγ抗体のスクリーニングには使用できないことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体収集については年度毎に10例以上の集積が行われており、現時点で100例以上の抗体陽性例を集積している。新型コロナウイルス感染症の流行により一時的にペースが低下したが概ね計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
現在集積した症例のデータベースの完成を進めており、完成後に併存症や臨床経過との関連を詳細に解析をすすめる。また、非結核性抗酸菌症の病型としては最重症の病型(播種性)を呈する疾患群であることから、残余血清の解析により病勢を判断する疾患活動性マーカーに関する解析も検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
収集検体を用いて、臨床情報との関連する解析を進める予定としている。外部委託にて血清検体の網羅的サイトカイン解析を行う予定であったが、委託先選定に時間を要しており次年度へと繰り越して解析を進めることとした。
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