不治の病である狂犬病では、カテゴリーⅢに分類される重度咬傷の場合、免疫グロブリン製剤(RIG)と狂犬病ワクチンの連続接種による曝露後治療法(PEP)でも救命しえない場合がある。重度の曝露に対してアクセスしやすく、より効果的なPEPレジメの提案に向け、抗ウイルス薬ファビピラビルの効果的な投与法についての検討を行った。薬剤の脳血液関門の透過性を更新させるため、シクロデキストリンによる修飾を行い、その効果を検討したが充分な結果は得られなかったが、重症曝露後直ぐにファビピラビルを経口連続投与し、引き続きワクチンの連続投与をすることで充分な発症予防効果が得られ、新たなPEPとして提唱し得ると考えられた。
|