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2020 年度 実施状況報告書

炭酸脱水酵素5 (Car8)によるGLP-1分泌制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K08977
研究機関京都大学

研究代表者

山根 俊介  京都大学, 医学研究科, 助教 (90582156)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードインクレチン分泌
研究実績の概要

[方法]①Car8の局在に関して、単離L細胞のRT-PCRおよびGcggfp/+下部小腸の免疫組織学的検討を行った。②腸管内分泌細胞株STC-1細胞を用いて、各種分泌刺激に対するGLP-1分泌を、siRNAを用いたCar8発現抑制下および発現ベクター導入による過剰発現下で評価した。③脂肪酸刺激時STC-1細胞内カルシウム濃度の変化をsiRNAを用いたCar8発現抑制下で評価した。④Car8機能欠失型変異を有するCar8wdl マウスで、経口油脂投与時血中GLP-1濃度を野生型マウスと比較した。[結果]RT-PCRではL細胞におけるCar8発現は非L細胞に比較して有意に高値であり、免疫染色でもGcggfp/+マウス下部小腸ではGFPとCar8が共染することを確認した。リノール酸やα-リノレン酸といった長鎖脂肪酸刺激によるSTC-1細胞からのGLP-1分泌は、Car8の発現抑制により増強、過剰発現によって低下した。一方短鎖脂肪酸、胆汁酸、oleoylethanolamide (OEA)によるGLP-1分泌はCar8の発現抑制による影響を受けなかった。またα-リノレン酸刺激時STC-1細胞内カルシウム濃度の上昇がCar8発現の抑制により有意に増加した。さらにCar8機能欠失型変異を有するCar8wdl マウスでは、経口糖負荷時のGLP-1分泌は野生型マウスと比べて差を認めなかったのに対して、α-リノレン酸を豊富に含むエゴマ油投与時GLP-1分泌が野生型マウスに比べて有意に高値であった。Car8欠損マウスの腸管蠕動や腸管GLP-1含量は野生型マウスと有意な差を認めなかった。[総括] Car8は細胞内カルシウム濃度の調節を介して、長鎖脂肪酸誘導性GLP-1分泌の制御に関与することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ当初の実験計画通りに進めており、得られた結果を英文誌に投稿、受理された。

今後の研究の推進方策

既に得られた実験結果を踏まえ、当初の実験計画に沿って遂行する。特に新規の技術習得や機材等の必要性はなく、研究計画を推進するうえで現段階では特に課題等を認めない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Carbonic anhydrase 8 (CAR8) negatively regulates GLP-1 secretion from enteroendocrine cells in response to long-chain fatty acids2021

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara Yuta、Yamane Shunsuke、Harada Norio、Ikeguchi-Ogura Eri、Usui Ryota、Nakamura Toshihiro、Iwasaki Kanako、Suzuki Kazuyo、Yabe Daisuke、Hayashi Yoshitaka、Inagaki Nobuya
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology-Gastrointestinal and Liver Physiology

      巻: 320 ページ: G617~G626

    • DOI

      10.1152/ajpgi.00312.2020

    • 査読あり
  • [学会発表] 炭酸脱水酵素8 (Car8)によるGLP-1分泌制御機構の解明2021

    • 著者名/発表者名
      藤原雄太、山根俊介、原田範雄、池口絵理、岩崎可南子、鈴木和代、臼井亮太、矢部大介、林良敬、稲垣暢也
    • 学会等名
      第64日本糖尿病学会年次学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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