研究実績の概要 |
研究期間全体を通じて、生理的APNの主要な受容体はT-cadであること(Kita et al., Elife 2019)、APNによるExo産生調節機構(Obata et al., JCI insight 2018)が果たす筋再生促進(Tanaka et al., SciRep 2019)や腎虚血再灌流障害の低減作用(Tsugawa-Shimizu et al., AJP Endocrinol Metab 2021)、間葉系幹細胞治療への応用性(重症心不全:Nakamura et al., Mol Therapy 2020)を明らかにし、新しい内分泌機構としてのExoの位置づけを提唱した(Kita et al., JCI 2019、Kita et al., JB review 2021)。 2021年度では、間葉系幹細胞治療が免疫チェックポイント阻害に誘発される1型糖尿病にも有効であることを、NODマウスモデルを用いて明らかにした(Kawada-Horitani et al., Diabetologia in press)。また、T-cadは血中にExoの構成成分としてのみならず、大部分は遊離タンパクとして存在し、糖尿病患者群の中でHBA1cなどのパラメータと有意な相関を示すことを明らかにし(Fukuda et al., JCEM2021)、ストレプトゾシン惹起糖尿病モデル等のインスリン枯渇状態で増加し、膵β細胞の増殖を促進する新しい液性因子であることを明らかにした(Okita et al. 投稿中)。
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