NAFLDから肝癌発症機序は不明な点が多い。NAFLDは脂肪肝から脂肪肝炎、肝硬変へと進行する。線維化が進行しているほど肝癌発症リスクが高まる。NAFLDの線維化に関連する2個のDMRネットワークを報告してきた。本研究では1つのネットワークはウイルス性肝炎や肝癌で保存されており、ネットワークに存在する遺伝子はNAFLDの線維化に伴い発症する肝癌に関連していることが示された。もう1つのネットワークはNAFLD特異的で、細胞増殖に関連する遺伝子が含まれており、NAFLDから発症する肝癌に関連していると考えられる。これらの遺伝子はNAFLDの治療や肝癌発症予防のターゲットとなることが期待される。
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