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2020 年度 実施状況報告書

尿酸とL-dopaの相互調節機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K08986
研究機関杏林大学

研究代表者

田中 弦  杏林大学, 医学部, 助教 (20615570)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード尿酸 / トランスポーター / dopachrome / パーキンソン病
研究実績の概要

血清尿酸値が高いほどパーキンソン病の発症リスクが低くなることが複数の疫学調査で明らかとなっている。一方、パーキンソン病治療薬であるL-dopaは血清尿酸値を上昇させることが古くから報告されているが、その機序の詳細は明らかとなっていない。本研究ではL-dopaもしくはその代謝物が、尿酸トランスポーターの尿酸輸送を変化させると考え、そのトランスポーターを同定することを目指した。
初年度は、合成したdopa代謝物のdopachromeを、尿酸トランスポーターGLUT9を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞に予め注入することで尿酸の取り込み量が2倍上昇することを見出した。これを踏まえ、昨年度は他の尿酸トランスポーターにおいて同様の検討を行うことを当初予定していた。しかし本年度初頭から放射線実験施設の閉鎖が断続的に続いたこともあり、放射線同位体標識した尿酸を用いた取り込み実験が十分に実施できなかった。そこでその間、これまでクローニングしてきた既知の尿酸トランスポーターに加え、近年新たに尿酸を輸送することが報告された輸送体であるNPT3のクローニングを行った。NPT3はTv1とTv2の二つのスプライシングバリアントが報告されていたため、それぞれを増幅するprimerセットを設計し、それらを用いてヒト腎cDNAライブラリーからクローニングを行った。NPT3 Tv1は配列の一部を欠損したもののみしか得られなかったが、NPT3 Tv2に関しては正しい配列の遺伝子を得ることができた。今後はクローニングしたNPT3 Tv2も尿酸輸送の解析に用いる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度は当初、放射性同位体を用いた尿酸輸送の実験を中心に行うように計画を立てていたが、放射線実験施設の閉鎖が断続的に続いたことなどがあり、新たな尿酸トランスポーターのクローニングを行うなど計画を変更した。

今後の研究の推進方策

昨年度予定していたが遂行できなかった放射性同位体標識した尿酸を用いた輸送実験を、今後進めていく。新たにクローニングしたトランスポーターを含め、未だ実験できていないGLUT9以外の尿酸トランスポーターに関しても同様にdopa代謝物による尿酸輸送の変化が見られるか検討を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

先に述べた理由により放射性同位体を用いた実験が十分にできておらず、高価な放射性同位体標識された基質やその他の消耗品の購入を見送ったため、次年度使用額が生じた。放射性同位体標識された基質など、研究の推進に不可欠な消耗品を購入するためにこれらの助成金を使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Investigation of zinc transport via ZIP13 using a xenopus oocyte expression system.2021

    • 著者名/発表者名
      Gen Tanaka, Toru Kimura
    • 学会等名
      第5回ZIP13 meeting
  • [学会発表] イグラチモド投与によって血清尿酸値の低下を認めた1例.2020

    • 著者名/発表者名
      1.福岡利仁, 佐藤徹, 李恵怜, 田中弦, 木村徹, 川上貴久, 岸本暢将, 駒形嘉紀, 櫻井裕之, 要伸也
    • 学会等名
      第52回臨床体液研究会
  • [備考] 杏林大学:医学部:教員紹介:田中 弦

    • URL

      http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/medicine/education/staff/detail/?id=med50009

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公開日: 2021-12-27  

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