研究課題
基盤研究(C)
トランス脂肪酸の過剰な摂取は、低比重リポタンパク質コレステロールを増加させ、同時に高比重リポタンパク質コレステロールを低下させると報告されている。これらの報告から、トランス脂肪酸は心臓病の危険因子と見なされている。しかし、どのようにしてトランス脂肪酸が低比重リポタンパク質コレステロールを増加させ、一方で高比重リポタンパク質コレステロールを低下させるのか、仕組みについては十分には解明されていない。本研究では、これらの仕組みの解明に寄与できる実験方法の開発を行った。
分析化学
本研究の成果は三つに大別できる。一つはハイコンテンツイメージングシステムという装置を利用して、低比重リポタンパク質の細胞への取り込みを観察する実験方法を開発したことである。二つ目は、細胞と細胞外のアポタンパク質A-1が相互作用して、幼若な高比重リポタンパク質ができるところを観察する実験方法を構築したことである。三つ目は、質量分析法を利用して、トランス脂肪酸を含有する脂質を分析する方法を開発したことである。これらの実験方法は、トランス脂肪酸の作用を明らかにする研究の進展に寄与できると期待される。