研究課題
甲状腺機能低下症は肥満症や脂質異常症の原因とされるが、我々は、TRH (thyrotropin-releasing hormone)ノックアウトマウス(TRHKO)を樹立し、軽度の甲状腺機能低下症と糖尿病を認めることを発見し報告した(PNAS.1997 30;94(20):10862-7)。6ヶ月以上TRHKOを飼育すると、高率にNAFLDを発症する可能性があり、NAFLD/NASHの恰好のモデル動物となることが判明した。今年度は、甲状腺機能低下に加え、肥満がいかにNASH/NAFLDの形成に関与するかを明らかとするために、高脂肪食での飼育を行った高齢TRHノックアウトマウス、野生型マウスを用い、血中脂質やトランスアミナーゼの変化を検討した。さらにこのマウスにおける肝臓の遺伝子変化を確認するためにマイクロアレイを現在提出中である。また肝臓の免疫組織染色も行い、TRHノックアウトマウスにおけるNASH/NAFLD発症機序解明を進めたい。
2: おおむね順調に進展している
実験に用いるTRHノックアウトマウスが順調に準備することが可能であったため、高脂肪食実験が予定通り実施されたため
高脂肪食処理を行ったTRHノックアウトマウスの解析結果を検討後は、メチオニンーコリン欠乏食処理でどのような変化が見られるかを検討する予定である。
解析途中のマイクロアレイ解析が年度を挟んでしまったため。
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J Endocr Soc.
巻: 3;3(12) ページ: 2385-2396
10.1210/js.2019-00155.