研究実績の概要 |
2022年度も、医療系大学である鈴鹿医療科学大学の学内において、新型コロナ感染症に対応した強力な感染予防対策が講じられていたことから、所属ゼミ学生の自由な研究活動が大きく制限され、結果的に施設内における研究活動は大きく遅滞した。 一方で、以前から長年にわたり共通の研究テーマで連携を行っている他施設と研究資材を共有しつつ、基礎的な実験を継続した結果、研究自体を進展させることは可能であった。 その結果として、TGFbeta 遺伝子ファミリーに属する生体内生理活性物質である Growth differentiation factor 15 (GDF15) が、下垂体 POMC 発現細胞でグルココルチコイドにより誘導され、局所的に proopiomelanocortin (POMC) 遺伝子の発現を抑制すること、またこの現象がグルココルチコイドによるネガティブフィードバック調節に関与している機序の存在が想定されること、などの新たな知見を明らかにすることができた。 これらの成果は、英文の原著論文として、国際的に歴史のある Peptides 誌に採択され、発表された(Kageyama K, Iwasaki Y, Watanuki Y, Murasa S, Niioka K, Tasso M, Kosugi A, Daimon M. Growth differentiation factor-15 modulates adrenocorticotropic hormone synthesis in murine AtT-20 corticotroph cells. Peptides 2022: 155: 170841)。また関連した研究を、日本内分泌学会の公式英文雑誌である Endocrine Journal にも原著論文として発表した(Hasegawa R, Kageyama K, Iwasaki Y, et al. Effects of tubastatin A on adrenocorticotropic hormone synthesis and proliferation of AtT-20 corticotroph tumor cells. Endocrine Journal 2022; 69: 1053-1060)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の如く、昨年度も、医療系大学である本学の学内において新型コロナ感染症に対応した感染予防対策が講じられていたことから、職員および学生の研究活動は大きく制限され、施設内における実験は遅滞せざるを得なかった。 しかし、そのような制約の中にあっても、長年にわたり共通の研究テーマで連携を行ってきた他施設と研究資材を共有して実験を行った結果、今回の研究課題に沿った研究成果を上げることができた。またその成果は、英文原著論文として、国際的な学術誌である Peptides 誌(インパクトファクター 3.867)に原著論文として発表することができた(Kageyama K, Iwasaki Y, Watanuki Y, Murasa S, Niioka K, Tasso M, Kosugi A, Daimon M. Peptides 2022:155:170841)。 このため、研究自体はおおむね順調に進展していると考えている。
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