インスリン抵抗性が増大すると糖恒常性を維持するために膵β細胞量が増加しインスリン分泌を亢進させるような代償機構が働くが、この代償機構が破綻すると糖尿病が発症する。この膵β細胞代償機構の破綻の分子機序は未だ不明な点が多い。 研究実施者はBHLHE40とPHD3という分子が膵β細胞代償機構において重要な鍵因子であることを見出しており、これら分子の作用機序は全く不明である。BHLHE40やPHD3が膵β細胞代償機構を調節する分子機序を明らかにできれば、これら因子の活性や発現を調節するような薬剤開発が可能となり膵β細胞代償機構を持続させる糖尿病治療法の確立に繋がることが期待できる。
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