研究課題
NKT細胞とマクロファージの相互作用が肥満・インスリン抵抗性に対してどのような機能を有するかをマクロファージ特異的CD1d欠損マウス(KOマウス)を用いて検討した。その結果、KOマウスでは組織炎症が増悪しインスリン抵抗性が亢進することがわかった。続いて、このKOマウスが他の炎症性疾患モデルでも炎症増悪が認められるかを調べるために、ConA誘導性肝炎モデル作製し解析した。ConAをWTマウスおよびKOマウスに静脈投与し、血清ALT値と肝組織における壊死領域を測定した。その結果、KOマウスではWTマウスに比べて血清ALT値および肝の壊死領域が増加していた。また、致死率もKOマウスのほうが高い傾向であった。肝NKT細胞の活性化を検討すると、KOマウスではIFN-gとTNF-aの産生量が増加しており、ConAによる肝NKT細胞の活性化亢進が認められた。これらの結果から、ConAによるNKT細胞の活性化機構はCD1dを介していないことが示唆され、CD1dを欠損しているマクロファージの性質に依存する可能性が考えられた。実際に、先の肥満モデルにおいては、マクロファージのIL-12p40の発現がWTマウスよりもKOマウス由来のマクロファージのほうが高いことがわかっている。ConA誘導性肝炎モデルにおいても、肝マクロファージのサイトカイン産生等の機能を詳細に解析し、CD1dによるマクロファージの機能修飾について明らかにする必要がある。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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