研究課題/領域番号 |
19K09018
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
橋本 貢士 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30396642)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | FGF21 / DNA脱メチル化 / CRISPR-dCas9 / TET / Hepa1-6 / エピゲノム編集 |
研究実績の概要 |
遺伝子特異的にTen-Eleven Translocation1(TET1) の catalytic domain(CD)を誘導することで人工的DNA脱メチル化を導入しうるエピゲノム編集技術である、CRISPR-dCas9-TET1CD(以下CRISPRdCas9)系を用いて、FGF21遺伝子特異的DNA脱メチル化をマウス肝細胞由来の株細胞である、Hepa1-6細胞に導入し、FGF21遺伝子特異的なDNA脱メチル化に成功した。さらにCRISPRdCas9系による「オフターゲット効果」は極めて軽微であることを明らかにした。さらにFGF21遺伝子特異的なDNA脱メチル化が導入されたHepa1-6細胞におけるFGF21遺伝子の発現は、対照群と比較して定常状態では発現に有意な差異は認めなかったが、核内受容体PPARαの特異的リガンド(SPPARMα)であるペマフィブラートを添加し、FGF 21遺伝子の発現を促進すると、FGF21遺伝子特異的なDNA脱メチル化が導入されたHepa1-6細胞におけるFGF21遺伝子の発現は、対照群と比較して有意に上昇することが明らかとなった。すなわちある遺伝子のDNAメチル化状態は刺激に対する発現応答反応を規定することが示唆された。また本研究成果の一部は、2019年6月5日の日本ゲノム編集学会 第4回大会において 「CRISPR/dCas9 系による Fibroblast growth factor 21 遺伝子特異的 DNA 脱メチル化の導入」 として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた細胞関連の実験を完遂することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はCRISPR-dCas9系をマウス個体に導入し、FGF21遺伝子特異的なDNA脱メチル化をin vivoに導入し、その動物を解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年4月に東京医科歯科大学から獨協医科大学埼玉医療センターに異動したため、研究室を新たに立ち上げる必要があり、一旦、研究の進行が遅くなった。しかし現在では、研究室も立ち上がり、次年度では動物購入など十分な支出計画がある。
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