研究実績の概要 |
本研究では、転写因子CREB(cAMP response element binding protein)の動脈硬化における役割、CREB共役因子CRTC(CREB regulated transcriptional coactivator)との関連を明らかにすることを目的とし研究を開始した。まず血管平滑筋細胞においてCREB, CRTC2の発現を確認した。次にアデニル酸シクラーゼ活性化作用を持つForskolin刺激にてCREBリン酸化及びCRTC2活性化・核内移行を確認、さらにForskolinは血清刺激による血管平滑筋細胞の増殖及び遊走を抑制した。またCREB標的遺伝子であり、血管新生促進因子であるCYR61/CCN1に注目し研究を進めた。Forskolin刺激はSIK(Salt-inducible kinase)を介したCRTC2依存的にCYR61の発現を抑制した。CRTC2はCREB非依存的にCYR61の発現を抑制、さらにForskolin非存在下でもCYR61の発現を抑制した。CRTC2はCREB co-activatorとして遺伝子発現を活性化するのみでなく、CREB非依存的に遺伝子発現を抑制する作用を有することが示された。
|