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2021 年度 実施状況報告書

Cre/loxPシステムを用いたニューロペプチドY発現ニューロンの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K09032
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

山田 俊児  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40454079)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードneuropeptide Y / Cre-loxP / アデノ随伴ウイルス / 側坐核
研究実績の概要

視床下部弓状核(ARC)に局在するニューロペプチドY(NPY)発現ニューロンは摂食を強力に促進する神経ペプチドである。そのため、NPY受容体のアンタゴニストは、抗肥満薬としての開発が進んでいる。NPY発現ニューロンはARC以外にも様々な部位に存在し、その投射や機能も多岐にわたることから、NPY発現ニューロンの詳細な知見を得ることは、NPY受容体のアンタゴニストの副作用を考える上で重要である。これまでに我々は側坐核(NAc)のNPYニューロンが不安行動に関わること、並びに、その軸索は視床下部外側野に投射することを明らかにした。
一方、NAcにはNPYを含有する神経線維が多く見られたので、当該年度では逆行性に優れたアデノ随伴ウイルス(AAV-retro)を合成し、NAcに投射するNPYニューロンの起始部を調べた。その結果、2つの神経核が側坐核に投射するNPYニューロンの起始部であることを明らかにした。神経核XからNAcに投射するNPYニューロンの機能を調べるために、Cre依存性にカスパーゼ3を発現させそのニューロンを脱落させるAAVを作成し、NPY-Creマウスの神経核Xに投与した。神経核XのNPYニューロンを脱落させたマウスにおいて様々な行動実験を行なったところ、このマウスはストレスに対し脆弱になっている可能性が明らかとなった。
また、神経核XのNPYニューロンの投射を調べるために、BLA NPYニューロンを膜結合型GFP(mGFP)で標識した。その結果、mGFPで標識された神経線維は側坐核以外にも前前頭皮質や分界条床核にも見られ、神経核XのNPYニューロンの投射が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

視床下部での研究が進まなかったので研究計画を変更した。原因としてAAVが視床下部のニューロンには感染しにくいことが考えられる。代わりに摂食を含む報酬系や不安に関連する側坐核や神経核XのNPYニューロンについて研究を進めている。

今後の研究の推進方策

新たに明らかとなった神経核XからNAcに投射するNPYニューロンの特性を調べる。前年度では神経核Xに存在するNPYニューロンを脱落させたマウスを利用し機能解析を行なったが、神経核XのNPYニューロンがNAc以外にも投射することが分かったので、Cre-loxP systemとFLP-FRT systemを併用し、神経核XからNAcに投射するNPYニューロンを特異的に操作できるマウスを用いて摂食や不安行動に関する行動実験を行う。摂食実験では特にparatable foodの摂食に着目し実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

元々計画していてプラスミドの購入がコロナウイルスの影響で延期になってしまったため。また、予定していた学会がオンライン開催となり旅費としての支出が抑えられた。
次年度使用分は別の学会の旅費とAAV作成用の消耗品の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The Role of Neuropeptide Y in the Nucleus Accumbens2021

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Masaki、Yamada Shunji、Watanabe Yoshihisa
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 22 ページ: 7287~7287

    • DOI

      10.3390/ijms22147287

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Efferent and Afferent Connections of Neuropeptide Y Neurons in the Nucleus Accumbens of Mice2021

    • 著者名/発表者名
      Yamada Shunji、van Kooten Nienke、Mori Takuma、Taguchi Katsutoshi、Tsujimura Atsushi、Tanaka Masaki
    • 雑誌名

      Frontiers in Neuroanatomy

      巻: 15 ページ: 741868~741868

    • DOI

      10.3389/fnana.2021.741868

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 側坐核のニューロペプチドY発現ニューロンが不安行動に及ぼす影響とその解剖学的解析2022

    • 著者名/発表者名
      山田俊児、田中雅樹
    • 学会等名
      第127回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [学会発表] 側坐核ニューロペプチドY発現ニューロンの解剖学的解析2021

    • 著者名/発表者名
      山田俊児、Nienke van Kooten、森琢、田口勝敏、辻村敦、田中雅樹
    • 学会等名
      第47回日本神経内分泌学会学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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