NPYはNPY受容体タイプ1 (Y1R) を介して摂食を促進することから、Y1Rのアンタゴニストが抗肥満薬の候補として研究・開発が進んでいる。一方、脳内や膵臓を含む末梢にもY1Rは発現し、さまざまな行動・内分泌変化に関与することが報告されている。本研究成果は側坐核のNPYニューロンが不安行動を減少させる働きがあることを明らかにした。この作用がY1Rを介する場合、Y1Rアンタゴニストが抗肥満を導く代わりに、不安を増加させる可能性があることを意味する。抗肥満薬Y1Rアンタゴニストの一つの副作用の可能性を発見できたのではないかと考える。
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