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2021 年度 実施状況報告書

代謝ストレスによる慢性炎症のエピゲノム制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K09038
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

蜂屋 瑠見  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (50365318)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード慢性炎症 / エピジェネティクス / マクロファージ / 肥満
研究実績の概要

メタボリックシンドロームにおいて基盤病態である慢性炎症を標的とする治療法は未だ開発されていない。エピゲノム修飾は、環境要因の影響を受けて可逆的に変化し、メタボリックシンドロームの病態にも寄与しうるが、マクロファージとエピゲノムについての知見はほとんどない。申請者らは、マクロファージのH3K9メチル化酵素Setdb1について、in vitroにおいてリポ多糖(LPS)による炎症性サイトカイン発現を抑制すること、in vivo LPS投与モデルにおいて個体レベルで内在性炎症抑制因子として作用することを見出した。さらに、飽和脂肪酸や高血糖といった代謝ストレスによる炎症でもSetdb1が内在性炎症抑制因子として作用することを予備的に見出した。本研究は、「Setdb1が代謝ストレスによる慢性炎症をどのような分子機構で制御しているか」を解明することを目的とし、メタボリックシンドロームにおいて慢性炎症を標的とする治療法開発への足掛かりとなることを目指す。
3年目は、これまでのin silico解析で同定した、Setdb1によって発現が抑制される炎症関連の複数の候補分子について、Setdb1ノックダウンマクロファージを用いたin vitro系に戻し解析を進めた。解析の過程で、細胞の継代数が進むにつれ、Setdb1のノックダウン効率が悪化し、Setdb1の作用を検討しにくくなるという現象が生じ、計画通りに解析を進めることが困難であった。そこで、より安定的かつ明瞭にSetdb1の作用を検討するべく、CRISPR-Cas9システムを用いたSetdb1欠損細胞株の作成を現在進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2年目以降の研究代表者の異動に伴う遅れを取り戻すには至らず、新たな実験系の構築(Setdb1欠損細胞株)の必要性も生じたため。補助事業期間延長承認を受け、次年度を含めた補助事業期間で研究計画を遂行予定である。

今後の研究の推進方策

新たに作成しているSetdb1欠損細胞株を用いて、肥満の病態生理において重要な飽和脂肪酸刺激下でのマクロファージのSetdb1の意義についてより詳細に解析し、in vivoでの検討や治療標的としての可能性探索に展開していきたい。

次年度使用額が生じた理由

実験系の新たな構築が必要となり、計画通りの実験遂行が困難であったため。補助事業期間延長承認を受け、次年度を含めた補助事業期間で新たな実験系を用いて当初の研究計画を遂行予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Molecular mechanism of crosstalk between immune and metabolic systems in metabolic syndrome2022

    • 著者名/発表者名
      Hachiya Rumi、Tanaka Miyako、Itoh Michiko、Suganami Takayoshi
    • 雑誌名

      Inflammation and Regeneration

      巻: 42 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s41232-022-00198-7

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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