研究課題/領域番号 |
19K09044
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研究機関 | 大阪物療大学 |
研究代表者 |
大西 隆之 大阪物療大学, 保健医療学部, 助教 (30418959)
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研究分担者 |
水上 洋一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (80274158)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | がん幹細胞 / 乳がん |
研究実績の概要 |
本研究では癌幹細胞の様に増殖速度が低下するキネシンタンパクのKIF20B遺伝子変異に着目して、癌幹細胞の細胞分裂や増殖の鍵となる因子を同定することを目的とする。 KIF20Bの遺伝子の変異は増殖速度の減少と多核細胞の増加の表現型を示したことから、癌幹細胞の発生や進展に関わる変異であるという仮説を立てた。この仮説を検証するためにまず、KIF20B変異遺伝子を発現する多核細胞で癌幹細胞の特徴・性質を調べ、癌幹細胞を分離する系を確立する。次に次世代シーケンサーによるRNA-seq解析を行い、多核の癌幹細胞の増殖や維持に関わる候補遺伝子群を同定し、分子機構の解明を目指す。そして同定した遺伝子群の中で癌幹細胞の増殖能を高め、抗癌剤感受性になる鍵となる遺伝子群を同定することを目指す。昨年度は様々なTCGAやCOSMICなどのデータベースを使ってKIF20B遺伝子変異について調べ、我々が見出したKIF20B遺伝子変異についてとよく似た変異が乳がん組織中で検出されていることや、KIF20B遺伝子ががん幹細胞で活性化されているMYCやその上流タンパクであるNotch1との相関があることも確認した。また、KIF20B遺伝子の高発現で予後が悪くなることを確認し、KIF20B遺伝子ががん幹細胞の発生や進展に関わるだけでなく、がんの発生や転移にも関わることが示唆された。 本年度はRNA-seq解析を行うためにKIF20B変異遺伝子を発現する多核の癌幹細胞のcharacterizationと分離する系の確立を試みた。来年度は多核のがん幹細胞を分離し、RNA-seq解析を行い、がん幹細胞の増殖や維持に関わる候補遺伝子群の同定を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はRNA-seq解析を行うためにKIF20B変異遺伝子を発現する多核の癌幹細胞のcharacterizationと分離する系の確立を試みているが、RNA-seq解析を行えるような良質で多核の癌幹細胞の作製が安定しておらず、条件検討中である。一方、TCGAやCOSMICなどのデータベースでKIF20Bの癌の変異の情報を調べたところ、我々が見出した変異と近い部位において変異が多く検出されていた。また、KIF20Bの高発現は予後が悪く、KIF20B遺伝子ががん幹細胞で活性化されているMYCやその上流タンパクであるNotch1との相関があることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
RNA-seq解析を行えるような良質で多核の癌幹細胞の作製と分離する系を確立し、RNA-seq解析を行い、がん幹細胞の増殖や維持に関わる候補遺伝子群を同定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度末(3月中旬頃)に共同研究者と研究打ち合わせのために山口大学に行く予定であったが、新型コロナウィルスに関する緊急事態宣言の発令により、急遽共同研究者との研究打ち合わせを中止したため未使用額が生じた。
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