研究課題
本研究では,先天性骨格筋欠損に対しての骨格筋シートの作成を最終目標とする.線維芽細胞を高効率に多核筋細胞に形質転換するダイレクトリプログラミング法と生体内組織形成技術により作成したバイオシートを用いることで,マウス腹壁欠損モデルについて,自己細胞・組織から強度と運動性を担保した「機能する」骨格筋シートを短期間に作成し,実臨床において応用可能な治療プラットフォームの開発を目指す.具体的には,マウス皮下で作製したバイオシートを足場とし,ヒト線維芽細胞からdirect conversionにて分化させた多核骨格筋細胞を播種して,骨格筋シートを作成する.マウス腹壁欠損モデルにシートを移植し,組織学的評価を行う2019年度は,preliminary reportを日本外科学会およびISPSRで発表し,同分野の研究者らと意見交換を行い,骨格筋シートの張力測定について示唆を得た.また,共同研究者らと研究カンファレンスを行い,より効率のよい遺伝子導入法について検討した.その結果を踏まえて,ヒト線維芽細胞(aHDFs)の培養およびヒトMYOD1遺伝子およびL-MYC遺伝子の共導入について,より安定した導入効率を得るべく追試験を行っている.またより大型で細胞定着の得られやすいバイオシートの鋳型について検討を行っている.
2: おおむね順調に進展している
2019年度は,preliminary reportを日本外科学会およびISPSRで発表し,同分野の研究者らと意見交換を行い,骨格筋シートの張力測定について示唆を得た.また,共同研究者らと研究カンファレンスを行い,より効率のよい遺伝子導入法について検討した.その結果を踏まえて,ヒト線維芽細胞(aHDFs)の培養およびヒトMYOD1遺伝子およびL-MYC遺伝子の共導入について,より安定した導入効率を得るべく追試験を行っている.またより大型で細胞定着の得られやすいバイオシートの鋳型について検討を行っている.以上のように概ね計画したとおりの研究進行状況である.
2020年度は,作成した多核骨格筋細胞の大型化を目指す.バイオシート上に移植する上で,多層化や血管新生について検討していく.
前実験で使用しているdMBsが凍結保存されており、研究計画を建てた段階より遺伝子導入をする頻度は少なかった。またバイオシートについても、鋳型を安価なシリコンチューブを作成したため、コストがかからなかった。次年度以降は、dMBsの細胞数をある程度確保して大型の骨格筋シートを作成する予定のため、研究計画より多くの費用を要する予定である。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件)
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