研究課題
近年、磁気位置追尾システムを用いてUS画像とUS走査面に一致したMRI画像を同一モニター上でリアルタイムに対比することができるバーチャルリアリティ技術[Real-time virtual sonography(RVS)]が開発された。2005年よりRVSを乳癌画像診断に導入し、仰臥位MRIを追加撮像してRVSを用いてUSとMRI画像情報を一致させる手法を考案し、臨床応用を行っている。Second-look USにRVSを併用することで通常のUSでは同定できないMRI-detected lesionの85%を検出することが可能であった。non-mass enhancement(NME)の検出においても臨床応用が進んでおり、AndoらはNMEの乳房温存手術におけるRVSの有用性についてretrospective解析し、NME 12例に対し、RVSを用いて体表にNMEの広がりマーキングして手術を行ったところ、断端陽性率が17%であったと報告している。本研究では乳房MRIにて同定されたNMEの広がり診断および植込み型病変識別マーカーを用いた乳房温存手術切除範囲決定におけるバーチャルリアリティ技術(RVS)の有用性を前向き臨床試験において検証しているそのために①仰臥位MRIによる病変の同定率、②乳房温存手術による病理学的断端陽性率、③再手術率、④乳房内再発率、を明らかにすることが本研究の目的である。令和元年~4年においては6例の登録を行った。MRI腫瘍径の中央値30.0mm、超音波腫瘍径の中央値は14.5mmであった。いずれもRVSで病変の局在診断が可能となり、全例に乳房温存を行い、いずれにおいても切除断端は陰性、再手術例はなかった。
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J Med Ultrason
巻: 49 ページ: 269-278
10.1007/s10396-021-01175-2