研究課題/領域番号 |
19K09066
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
照井 慶太 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70375773)
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研究分担者 |
関根 章博 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (30425631)
竹村 亮 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (50747516)
齋藤 武 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (20406044)
真下 陽一 千葉大学, 大学院医学研究院, 技術専門職員 (90422253)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 遺伝子解析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、Hirschsprung病(HSCR)の遺伝子診断による診断率を高め、遺伝子診断の汎用性を向上させることである。そのためには詳細な患者情報を含んだデータベースが必須である。そのため、HSCR児の詳細な診療情報(治療経過・合併する先天異常・HSCRの家族内発生)を含んだデータベースを作成した。それを元に患者・患者家族とコンタクトをとり、研究に関する説明を行い、研究参加の同意書を得た後、血液検体を採取した。家族内発生が認められた場合は、当該患者に加えて家族の検体も収集した。検体は匿名化され、適切な状態で保管されている。 既存のゲノム解析研究は対象症例の細かく分断された遺伝子を繋ぎ合わせて解読するShort-read sequenceであるため,比較的大きな構造の遺伝子異常である構造多型(数百~数万塩基レベルの逆位,転座,欠失,重複)を検出できない.構造多型を検出するためには,断片化されていないDNAサンプルをLong-read sequencerで解析することが必要である。そのため、Long-read sequencerでの解析に耐えうる状態で検体を採取・保存することが肝要である。この点を十分に考慮した上で、我々は検体採取・保存の方法を確立した。同様の理由より、DNA抽出・保存に関しても細心の注意が必要である。我々はSmart Blood DNA Midi Kitを用い、DNAの破壊を最小限にするためのプロトコールを確立した。 HSCRの原因遺伝子は多岐に渡り、数多くの原因遺伝子同士の関連については不明な点が多い。そこで、検体収集と並行して遺伝子データベースから生体において関連の強い遺伝子を抽出し、解析候補遺伝子について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初より検体の収集が最も研究の進行を規定する因子だと考えていた。一施設での検体収集には限界がある。当施設での方法論が確立されてきたため、検体収集の場を他施設に広げる準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に大きな変更はない。更なる検体収集を進め、平行して解析の準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、Long read sequenceによるDNA解析を行うため、DNAの品質が極めて重要である。そのため、DNA抽出から解析までの時間をなるべく短くすることが肝要である。血液検体が現在収集されている途中であるが、解析するにはnが少ないため、DNA抽出を待機している状況である。そのため、R1年度の資金をR2年度に繰り越した。
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