研究課題/領域番号 |
19K09067
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古村 眞 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (10422289)
|
研究分担者 |
中山 泰秀 東京大学, 医学部附属病院, 客員研究員 (50250262)
鈴木 啓介 埼玉医科大学, 医学部, 客員講師 (50724887)
松本 有加 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (50813672)
藤代 準 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60528438)
中村 哲也 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (70265809)
鈴木 完 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80598508)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 小腸上皮オルガノイド / biotube |
研究実績の概要 |
小腸上皮細胞を幹細胞を含むオルガノイドとして培養する技術が開発され、腸管の粘膜欠損に移植すると腸上皮が再生することを共同研究者らが報告している。 本年度は、腸上皮を有するbiotubeを作成するため、biotube上に小腸上皮オルガノイドを移植し接着が可能か検討した。 C57BL6Jマウスの背部皮下に径3mm、長さ15㎜のシリコン製の鋳型を埋入した。4週後に鋳型周囲に形成されたbiotubeを摘出し、小腸上皮オルガノイド接着実験に用いた。①まずin vitro:でbiotube表面にマウス小腸上皮オルガノイドを懸濁したマトリゲル希釈液を播種して培養し、day1にオルガノイドの接着を組織学的に検討した。②in vivo:マウス背部皮下に作成したbiotube内腔にオルガノイド懸濁ゲル希釈液を注入し、day1、day7にbiotubeを摘出して組織学的に検討した。さらに、腸管上皮をbiotubeに播種し、マウス小腸に吻合するモデルを作製している。マウス腸管吻合の困難さがあり、現在までにマウス腸管吻合が成功していない。 ①in vitro:HE染色でオルガノイドがbiotube表面に接しているのが確認した。②in vivo:移植後、day1、day7のいずれもHE染色でbiotube内腔表面にオルガノイドを認めた。E-Cadherinによる免疫組織化学染色でbiotubeに接するオルガノイドは陽性を示した。day1と比較してday7でオルガノイドの増殖や腸上皮形成は認めなかった。よって、バイオチューブ内で腸上皮細胞の成熟は認められなかった。 小腸上皮オルガノイドは、iBTAによって形成されるbiotubeに播種後早期に接着することを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
biotubeに、小腸上皮オルガノイドが接着することが確認できた。 本研究の最終的な目的である小腸再生の最初の重要なステップをクリアーできた。
|
今後の研究の推進方策 |
バイオチューブ内で長期的に腸上皮の生存が認められない。腸上皮を播種し1日から2日でバイオチューブと腸管を吻合するモデル作成を行う予定である。その後の腸管の筋層、粘膜上皮の再生について検討する予定である。
|