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2019 年度 実施状況報告書

HER2標的薬に対する乳癌細胞の獲得耐性克服を目指した治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K09070
研究機関岡山大学

研究代表者

枝園 忠彦  岡山大学, 大学病院, 講師 (30509451)

研究分担者 豊岡 伸一  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30397880)
山本 寛斉  岡山大学, 大学病院, 助教 (40467733)
諏澤 憲  岡山大学, 大学病院, 助教 (90839713)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードHER2 / 乳癌 / 薬剤耐性 / 耐性機序
研究実績の概要

HER2標的薬耐性細胞株の樹立と耐性機序の解明
HER2陽性乳癌細胞株に対し、我々が確立した薬剤曝露法であるStep-wise法、High-dose法によりHER2標的薬 (Neratinib, T-DM1) を曝露し耐性細胞株を作成す中であり、それぞれほぼ完成に近づいている。pertuzumab およびDS8201に関しては薬剤入手次第開始予定である。耐性細胞株が完成次第、これらの細胞株における耐性機序を検討する。はじめに従来の我々の知見から予測される耐性機序としてHER2およびYes1を中心とした関連遺伝子の変異・コピー数・発現変化、細胞内シグナル蛋白および EMT marker, Stem cell marker, pーglycoprotein等の発現を検討する。
また、各薬剤の耐性に関与するシグナルの強制発現・抑制による薬剤感受性の獲得・復活を、遺伝子導入技術やノックダウンおよび阻害剤を用いてin vitroで検討する。
臨床検体におけるYes1他獲得耐性に関与する因子の発現検討
現在HER2陽性乳癌症例からバイオバンクを活用して臨床検体組織を収集中である。
今後①原発巣におけるYes1の発現と予後(全生存、無増悪期間)の相関検討。②転移乳癌におけるYes1の発現とHER2標的薬の効果の検討。③原発巣におけるYes1の発現とTrastuzumabを含む術前ー化学療法の効果の相関検討を随時行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在TDM1に対する耐性を持った細胞株が乳癌 肺がんともに完成間近である。新規薬剤DS8201に関しては、薬剤メーカーとの交渉と保険適応のタイミングが同時になってしまい、今後の研究を進めやすくするため、メーカーとの契約による薬剤入手を断念したため、少し進捗に遅れが出た。しかし、4月より同薬剤も無事保険収載されることとなり 薬剤入手が可能となったことから、耐性細胞株の作成を開始できることとなった。それ以外の、研究に関しては予定通りである。

今後の研究の推進方策

今後計画書通り、TDM1耐性細胞株を使って耐性機序の解明を行う。また、その結果を踏まえて耐性の克服法も検討する。

次年度使用額が生じた理由

今年度、当初予定していた新型コロナウイルス感染拡大防止のため、予定していた学会が中止となったため、残額が生じたが、次年度は、主にデータ解析と結果の公表を行う予定であり、経費としてデータ解析費用、論文作成の伴う英文校正費・投稿料、学会発表にともなう旅費等を見込んでいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] YES1 activation induces acquired resistance to neratinib in HER2 ‐amplified breast and lung cancers2020

    • 著者名/発表者名
      Takeda Tatsuaki、Yamamoto Hiromasa、Suzawa Ken、Tomida Shuta、Miyauchi Shunsaku、Araki Kota、Nakata Kentaro、Miura Akihiro、Namba Kei、Shien Kazuhiko、Soh Junichi、Shien Tadahiko、Kitamura Yoshihisa、Sendo Toshiaki、Toyooka Shinichi
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 111 ページ: 849~856

    • DOI

      10.1111/cas.14289

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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