• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

ホルモン受容体陽性乳癌におけるHER3の分解制御因子の解明と治療効果との相関性

研究課題

研究課題/領域番号 19K09079
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

佐治 重衡  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80446567)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードbreast cancer / HER3 / タンパク質分解
研究実績の概要

我々は、これまでのヒト乳癌細胞株を用いた研究から、HER3の分解に関わるいくつかのユビキチンリガーゼや分解促進因子、2量体パートナーなどがその生物学的特性に影響することを見出してきている。これらの細胞実験を継続するとともに、本年度は、本学の医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターで構築した、乳がん患者組織由来の網羅的遺伝子発現解析データセット(約750例)を用いて、HER3, ER, Nedd4-1をはじめとした7つの因子の発現状況と、患者の予後、薬剤奏功性との相関について検証した。このデーターセットはmRNA発現解析となるため、タンパク質の量的状況を反映しているとまではいえないが、今後の免疫染色解析ベースでの臨床サンプル解析をするにあたり、より検証すべき患者群と優先する標的因子を決めるために実施した。HER3 mRNA転写量が測定されている約750検体のうち、重複症例を除き398検体(症例)で検討に必要な臨床病理学的情報が確定できた。ERとHER3のmRNAの転写量に相関性があることは既知だが、この398例においても同様の傾向を認め、このデータセットが一般化可能であることが確認できた。一定条件下での予後との相関を探索すべく、ホルモン陽性乳癌209例(Stage 0-II)に対象をしぼり7つの候補標的因子について検討したところ、ER発現、HER3発現、Nedd4-1発現の組み合わせパターンで予後と相関するサブセットがあることが確認された。また、他の候補標的因子にも組み合わせによって予後との相関が見られるものがあった。今後は、これらの関係をタンパク量レベルでも検証していくとともに、そのメカニズム仮説について細胞実験へ戻して検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞実験は前年度からの継続テーマとして実施しつつ、本年度は臨床サンプルでの検証に入ることができた。

今後の研究の推進方策

乳がん患者組織由来の網羅的遺伝子発現解析データでの、標的因子の臨床病理学的な意義をさらに詳しく確認しつつ、正しい患者群を設定してそのタンパク質発現解析に入っていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Changes in recurrence score by neoadjuvant endocrine therapy of breast cancer and their prognostic implication2019

    • 著者名/発表者名
      Ueno T, Saji S, Masuda N, Iwata H, Kuroi K, Sato N, Takei H, Yamamoto Y, Ohno S, Yamashita H, Hisamatsu K, Aogi K, Sasano H, Toi M.
    • 雑誌名

      ESMO Open

      巻: 4 ページ: -

    • DOI

      10.1136/esmoopen-2018-000476

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Differential Involvement of Autophagy and Apoptosis in Response to Chemoendocrine and Endocrine Therapy in Breast Cancer: JBCRG-07TR2019

    • 著者名/発表者名
      Ueno T, Masuda N, Kamigaki S, Morimoto T, Saji S, Imoto S, Sasano H, Toi M.
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci.

      巻: 20 ページ: -

    • DOI

      10.3390/ijms20040984.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 乳癌診療におけるリキッドバイオプシーの将来展望2020

    • 著者名/発表者名
      佐治重衡
    • 学会等名
      第4回 liquid biopsy 研究会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi