乳癌細胞株MCF7とその5FU耐性株MCF7/5FUR、および乳癌細胞株MDAMB231とその5FU耐性株MDAMB231/5FURを使用して、5FU耐性メカニズムとその克服方法を検討し、今年度はメタボローム解析による細胞内メタボロームの変化について検討を行った。前年度の研究結果では細胞内のPhosphoribosyl pyrophosphate (PRPP)が5FU耐性株において減少し、Deoxyribose-1-phosphate (dR1P)の濃度は両細胞においてほとんどゼロに近かった。これらの現象が5FU耐性に関わっていると考え、これらの結果がほかの5FU耐性株においても認められるかを検討したところ、胃癌細胞株MKN45と5FU耐性株MKN45/F2R、大腸癌細胞株SW48と5FU耐性株SW48/5FUR、大腸癌細胞株LS174Tと5FU耐性株LS174T/5FURでも検討したところ、同様の現象をこれらの細胞株でも認めた。このことから5FUの耐性メカニズムには細胞内のメタボローム変化が重要であり、新知見と考えられた。
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