神経芽腫の発生機序については、散見される染色体異常ががんの発生・増殖・維持にどのように関与しているのかが不明である。 既に出来上がったがんの解析からは得られない腫瘍発生に関わるダイナミックな動態を捉えために、ヒト多能性幹細胞由来交感神経にMYCN遺伝子増幅と1番染色体短腕の部分欠失を導入して、in vitro腫瘍発生モデルの開発を試みた。ヒト多能性幹細胞由来交感神経はMYCNの導入により速やかに細胞死をきたすことがわかった。また、染色体欠失の導入を行うシステム開発としてCRSPR/Cas9による染色体欠失導入システムを構築し、HeLa細胞における1p36領域28Mbpの欠失を導入し得た。
|