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2019 年度 実施状況報告書

小腸移植におけるNotchシグナルの免疫応答制御とメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K09104
研究機関東海大学

研究代表者

森 昌玄  東海大学, 医学部, 助教 (00445389)

研究分担者 渡邉 稔彦  東海大学, 医学部, 教授 (50306734)
清水 隆弘  東海大学, 医学部, 助教 (80626705) [辞退]
穂積 勝人  東海大学, 医学部, 教授 (30246079)
佐藤 健人  東海大学, 医学部, 准教授 (50235363)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード小腸移植 / 虚血再灌流障害 / Notchシグナル / 免疫応答
研究実績の概要

【研究概要】Notchシグナル経路はこれまでにない新規の拒絶反応抑制効果・免疫調節作用を示すことから、小腸虚血再灌流障害、小腸移植において従来の治療法の弱点を克服する新規治療法として期待できる。比較的モデル作成が容易な小腸虚血再灌流モデルから実験を開始した。

【結果】1.小腸虚血再灌流モデル作成:森は小動物手術モデルの研究は馴染みがなかったため、渡辺の指導下にモデル作成のトレーニングを開始した。当初の計画ではうまく阻血効果が得られなかったため、上腸間膜動脈のクリップを二重にしたところ、良好な阻血効果が得られるようになった。2.無治療群の生存日数:C57BL/6 wild-type(B6 WT):25-30gr(週齢10-12)の雄性B6マウスを用いた。無治療群の生存日数は、(0,1,1,1,2,2,3,5,12,28)(中央値2日)で7日生存率は20%であった。諸家の報告では50%と比べると、死亡率が高い傾向があったが、比較的安定した十分なストレス障害モデルであると判断した。3.治療群の生存日数:虚血再灌流手術の1日前に0.5mgのNotchリガンド抗体(anti-Dll1)を B6 WTマウスに腹腔内投与した。治療群の生存日数は、(2,3,3,4,4,5,8,10,17,30)(中央値4.5日)とNotch経路遮断により生存日数の延長が認められた。4.小腸肉眼的バイアビリティー:無治療群では、再灌流後4分で腸管壁の浮腫が出現し、10分後では腸管壁の発赤と浮腫増悪、腸管拡張(粘膜剥離)が認められた。治療群では、10分後でも軽度~中等度の腸管の浮腫を認めるにとどまった。5.組織学的検討:術後24時間に検体を採取して、HE染色で虚血再灌流障害をグレード分類(0:なし、1:軽度、2:中等度、3:重度)によりスコアリングした。無治療群は(2,2,3,3,3)(中央値2)、治療群は(1,1,2,2,2)(中央値3)と治療群で組織学的にも虚血再灌流障害の軽減が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

【総括】
今後保存した検体により、Myeloperoxidase(MPO)活性、炎症性サイトカインマーカー測定、タンパク発現定量、アポトーシスの評価、を行い、まずは小腸虚血再灌流障害モデルでの有効性とメカニズムについてまとめていく計画である。

今後の研究の推進方策

小腸虚血再灌流障害モデルにおいて、生存日数に差が出たため、小腸移植モデルにおいても同様の効果が期待できると思われる。

次年度使用額が生じた理由

小腸虚血再灌流障害モデルでの生存日数と組織学的障害度の検討から始まっており、有効性とメカニズムについてのアッセイまで達成できていなかったために繰越金が生じている。次年度では、保存した検体を用いた、Myeloperoxidase(MPO)活性、炎症性サイトカインマーカー測定、タンパク発現定量、アポトーシスの評価、小腸移植モデルでの検討、のために使用する計画である。

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公開日: 2021-01-27  

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