研究課題
本研究は,酸素およびガスメディエータを含有したUFBを作成し,移植臓器に対するUFBの有効性を検証する.令和3年度は,昨年度に検討した大動物腎の体外循環評価モデルの条件を用いて、ブタ腎臓とイヌ腎臓を一酸化炭素(CO)-UFBを含んだ保存液にて24時間保存し、保存効果を評価した。評価には、体外循環(IPPK or IPDK: isolated perfusion pig or dog kidney )による機能評価と組織学的評価を行った。ブタまたはイヌを麻酔下にて開腹し、両側の腎を脱血し、摘出後CO-UFBを含んだ保存液を灌流し、保存液に浸漬し、24時間後にIPPK または IPDKにて評価・検討した。CO-UFBを含んだ保存液にて保存したブタ腎臓は、IPPK中の腎灌流量、尿量において、UFBを含まない保存液で保存したものよりも高く維持されることが分かった。またイヌ腎臓においても同様の結果が得られ、これらの結果から虚血による腎機能遅延が抑制されることが示唆された。また組織学的評価においても、糸球体、尿細管の構造を保たれているのが確認できた。これまで得られたマウス腎における結果と同様に、ブタやイヌの腎臓においてもCOを含んだUFBは、腎臓に対して虚血再還流障害を軽減させ保護効果を示し、組織学的にも糸球体や尿細管の構造を保つことが分かった。ヒトの臓器に近い大動物の腎臓で、CO-UFBの効果を示すことで、臨床応用への可能性が示唆された。今後、より詳細な解析を加え、UFBの医療への応用を開拓する。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 5件、 査読あり 4件)
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