研究課題/領域番号 |
19K09112
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
工藤 大輔 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (00587024)
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研究分担者 |
石戸 圭之輔 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (00436023)
長瀬 勇人 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (10750862)
吉田 枝里 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20648886)
袴田 健一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (30271802)
木村 憲央 弘前大学, 医学研究科, 講師 (60436029)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 膵癌 / 間質 / ヒアルロン酸 |
研究実績の概要 |
申請者らはこれまでに 4-methylumbelliferone(MU)がヒアルロン酸合成を特異的に抑制することを見出し、その作用が培養ヒト膵癌細胞に抗腫瘍効果を及ぼすことを明らかにして来た。実際のヒト膵癌組織では、膵癌細胞を取り囲む大量の間質が観察され、その中には多数の線維芽細胞とヒアルロン酸が存在し、抗癌剤や免疫担当細胞の拡散を妨げることによって治療抵抗性を獲得していると予想される。従って、MUによって線維芽細胞のヒアルロン酸合成が抑制されれば癌組織内圧が低下し、抗癌剤や免疫担当細胞の組織移行性が高まり、結果としてより良い治療効果が得られるという仮説が着想される。これまでの一連の研究を発展させて、膵癌組織内圧を MUによって制御し、膵癌間質を標的とした新規膵癌治療方法の開発の可能性を探ることを目的として本研究を計画した。ヒト膵癌細胞と癌間質関連線維芽細胞(Cancer Associated Fibroblast; CAF)の起源である膵星細胞を共培養する実験を行った。ヒト膵癌細胞により膵星細胞は活性化され癌関連線維芽細胞様の形質を発現するようになるが、MUを投与することにより膵星細胞の活性化を抑制する可能性が示された。元来、4-methylumbelliferone(MU)によるヒアルロン酸合成抑制効果は線維芽細胞に対する実験で確認されていたので、膵癌間質細胞に及ぼすMUの作用も注目するに値する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験環境の整備が行われたことおよび新型コロナウイルス感染拡大を受け実験機材の搬入遅延、実験時間の短縮を受け、研究計画通りに進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
膵癌間質細胞に与えるMUの効果を検討する。MU投与による間質細胞の影響をRNAseqなどで解析し、形質変化を確認する。その後、ヒト膵癌細胞株との共培養および免疫不全マウスに移植をし、癌の浸潤、転移、線維化等を生体内で確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に実験を繰り越したため次年度使用額が生じた。
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