研究課題/領域番号 |
19K09123
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
渡部 祐司 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (20210958)
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研究分担者 |
東山 繁樹 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大腸がん / がんマーカー / KLHL5 / ユビキチンリガーゼ |
研究実績の概要 |
KLHL5の標的基質探索のために、まずビオチン化KLHL5リコンビナントタンパク質(Bio-KLHL5)を、小麦胚芽無細胞タンパク質合成系を用いて合成した。Bio-KLHL5をプローブとして用いて、愛媛大学プロテオサイエンスセンターが独自に開発したヒトFlag-タグ24000タンパク質アレイを基盤としたAplhaScreenシステムを稼働させた。その結果、バックグラウンドの10倍のシグナルを超えるものを候補タンパク質として選別し、約100種を取得した。次にこれら候補タンパク質の His-タグ・リコンビナントタンパク質を小麦胚芽無細胞タンパク質合成系を用いて再度合成し、キレートカラムクロマトグラフィーにて精製後、トリプシン分解、質量分析を行うことにより、各候補タンパク質のプロテオテイピックペプチド (Proteotypic peptide : PTP)の同定を試みた。約100種の候補タンパク質のうち、複数のPTPを決めることができたものは約60種、1種類の PTPにとどまったものは約30種、残り約10種については有効なPTPを見出すには至らなかった。そこで、PTPを決定することのできた約90種について定量解析の準備を進めることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
大腸がん細胞株及びヒト大腸がん組織で発現している KLHL5の標的基質を探索・定量解析するために、2019年度にAlphaScreenアッセイで同定した基質タンパク質を対象とする定量的質量分析法を、Selective Reaction Monitoring (SRM)法にて作成中である。具体的には、現在、2019年度に同定できた基質候補タンパク質のPTPをタンデムに連結した定量用標準人工タンパク質QconCATの合成に向けて、cDNAのデザインと合成を進めているところである。また、同定したKLHL5の基質候補分子が細胞レベルで真の基質であるかを、HEK293細胞を用いた再構築系でCUL3-KLHL5による基質候補タンパク質のユビキチン化を検証する準備を進めている
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今後の研究の推進方策 |
KLHL5の全基質候補タンパク質の定量用標準人工タンパク質QconCATを安定同位体標識人工タンパク質としてまず合成する。これ内部標準として用いることで、複数の大腸がん細胞株の可溶性分画を試料としたSelective Reaction Monitoring (SRM)分析法により定量を試み、その精度を検討する。最終的には、ヒト大腸がん組織を用いた定量解析に応用することで、新規大腸がんマーカーの探索・同定を行う。
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