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2019 年度 実施状況報告書

Helicobacter pylori免疫応答が胃癌術後補助化学療法に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 19K09130
研究機関岩手医科大学

研究代表者

肥田 圭介  岩手医科大学, 医学部, 教授 (10285596)

研究分担者 西塚 哲  岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 特任教授 (50453311)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード胃がん / 術後補助化学療法 / Helicobacter pylori / 免疫応答
研究実績の概要

先行研究H27年度~H29年度、「胃癌術後補助化学療法効果予測バイオマーカーの臨床的妥当性の検証」にて集積した658例の臨床検体に対し免疫染色を開始した。腫瘍中心部の直径5mmの範囲から、前症例を搭載した組織マイクロアレイを作成済みで、選定したCD4/8、D11c(樹状細胞)、CD336(NK細胞)を含む抗体パネル(全7種類)を用いて腫瘍局所免疫細胞の染色を行い、すでに解析を終了したPD-L1との発現状態を比較検討中である。組織マイクロアレイの免疫染色で腫瘍内の蛋白発現多様性の検証として、10症例は組織マイクロアレイ用コアの周囲も含めた免疫染色を行った。PD-L1陽性癌細胞と免疫細胞との最近傍法による統計解析から局所免疫状態を定量化し、術後化学療法効果との関連の解析を検討している。
また先行研究手術単独群ではHP感染による差は無く、術後補助化学療法群でのみHP感染群が有意に予後良好であった。この結果より、HP感染による宿主側の変化が化学療法に有利な全身状態を誘導していることが推察される。この仮説を検証する目的で名古屋市の大幸地区における健常人コホート5000人分のデータの解析を開始した。胃がん化学療法でHP感染群の予後が良好であったことから、ヒト健康に関する影響に関して疫学的な検証を行う研究であり、現在解析中である。
更に、先行研究データを用いてACTS-GC試験の結果術後補助療法適応外とされているT1N1M0/T2N0M0/T3N0M0症例の再発リスクとTP53 codon72 多型との関連について解析し報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

進行胃がん患者に対する前向き観察研究の遂行が遅れている。

今後の研究の推進方策

HP感染によりヒト健康に有益な免疫状態が癌の好発年齢に到達するまで長年にわたって維持されているなら、HP感染により誘導・維持される免疫状態は胃癌治療にとどまらずヒト健康に有益に作用している可能性があり、多方面にわたりHP感染と免疫応答について検討を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

備品(抗体等)の発注が間に合わなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Recurrence risk evaluation in T1N1M0/T2N0M0/T3N0M0 gastric cancer with TP53 codon 72 polyphorphism2019

    • 著者名/発表者名
      Omori Y, Nomura T, Fukushima N, Takahashi F, Iwaya T, Koeda K, Nishizuka SS
    • 雑誌名

      J Surg Oncol

      巻: 120 ページ: 1154-1161

    • DOI

      10.1002/jso.25718

    • 査読あり
  • [学会発表] Recurrence risk evaluation in stage IB gastric cancer with TP53 codon 72 polymorphism.2019

    • 著者名/発表者名
      Nishizuka S, Ohmori Y, Iwaya T, Koeda K, the Northern Japan Gastric Cancer Study Consortium
    • 学会等名
      ASCO Annual Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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