大腸癌は比較的治療成績が良好であるが、遠隔転移を有するような進行癌においてはやはり良好とは言えず、遠隔転移の予防、治療は治療成績向上につながる。大腸癌の好発転移部位は肺や肝臓だが、その特異的な転移形成のメカニズムは明らかではない。本研究では大腸癌肺転移形成に肺内環境、特に肺のみに多く存在し、その免疫や構造維持に関与するSP-Dが重要であることを初めて明らかにした。すなわち、肺内のSP-Dは大腸癌肺転移の抑制に重要なな働きをしており、この低下が肺転移形成の増悪に寄与している可能性が示唆される。今後このSP-Dをターゲットした様々な治療法の開発が期待される。
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