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2020 年度 実施状況報告書

食道癌に対する新たな抗体医薬とコンパニオン診断技術の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09140
研究機関名古屋大学

研究代表者

小池 聖彦  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (10378094)

研究分担者 田中 千恵  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50589786)
小林 大介  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (30635595) [辞退]
神田 光郎  名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
澤木 康一  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60815033) [辞退]
小寺 泰弘  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード食道癌 / 抗体医薬 / コンパニオン診断
研究実績の概要

食道癌は多様な進展経路を持つ予後不良な疾患であり、本邦において男女ともに癌死亡者数が増加している。従来の殺細胞性抗腫瘍剤のコンプライアンスが得られにくく効果も限定的であるため、治療成績改善のためには治療選択肢を拡大させうる分子標的治療薬の開発が望まれている。我々は、既存の分子標的治療薬とは全く異なる標的としてneuronal pentraxin receptor (NPTXR) を同定し、これに対する特異的抗体医薬開発の糸口をつかむことを目的に本研究を進めている。また同時に、個別化治療の実現に向けて重要な、奏効度を事前に予測しうるコンパニオン診断法開発に向けてのデータ構築を行っていく。shRNAを用いた安定的NPTXRノックダウン食道扁平上皮癌細胞株を樹立し、細胞機能解析を行ったところ、癌進展に重要な細胞増殖能、浸潤能が有意に低下することを明らかにした。また、NPTXRノックダウンにより食道癌のkey drugである5-FUの感受性が改善することも発見した。抗原性・親水性予測に基づいて抗NTPXR抗体を取得した。NPTXRの悪性腫瘍における役割には未知の部分が大きく、どのようなsignaling pathwayとの干渉を有するのかを知ることは、その特性を理解するために重要である。Antibody arrayを用いて親株と安定的NPTXRノックダウン株における細胞内signaling pathwayのリン酸化について網羅的に比較したところ、Akt-mTORのシグナルのリン酸化がNPTXRにより抑制されていた。引き続き研究計画にもとづいて、食道扁平上皮癌細胞におけるNPTXRの機能解析、抗腫瘍剤感受性への影響、癌関連主要pathwayへの干渉、抗NPTXR抗体の食道癌全身転移モデル治療効果の評価、コンパニオン診断薬開発のための臨床検体中NPTXR発現解析を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

樹立したshRNAを用いた安定的NPTXRノックダウン食道扁平上皮癌細胞株を用いて、細胞機能解析(細胞増殖能、浸潤能)を実施した。さらに、薬剤感受性への影響を調べるべく、NPTXRノックダウンの有無によるFUの感受性変化についても検討した。次年度に活性評価を行う予定の抗NTPXR抗体を取得した。シグナル解析の入り口となる網羅的細胞内signaling pathwayリン酸化解析を実施し、Akt-mTORのシグナルのリン酸化がNPTXRにより抑制されていることを発見した。おおむね研究計画に沿って進捗している。

今後の研究の推進方策

引き続き、shRNAによる安定的ノックダウン株を用いて癌細胞機能の変化を調べる。親株とノックダウン株の間でアポトーシス細胞比、ミトコンドリア膜電位活性、Caspase活性、細胞周期の変化を調べるととともに、癌の転移進展に重要な遊走能、接着能を順次評価していく。in vivo実験として、マウス皮下腫瘍モデルでの造腫瘍能を比較する。親株と安定的レセプターNノックダウン株の間で食道癌のkey drugであるCDDPの感受性をWST-8法で比較する。シグナル解析として、Akt-mTORシグナルに着目して関連分子のリン酸化をWestern blotting法で調査する。抗NPTXR抗体の食道癌細胞増殖抑制効果を調べる。コンパニオン診断薬開発に向けて、食道癌原発巣組織中発現と臨床データの相関解析を行う。取得したデータをまとめ、英文論文執筆を開始する。

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公開日: 2021-12-27  

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