研究分担者 |
山口 淳平 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00566987)
梛野 正人 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20237564) [辞退]
國料 俊男 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60378023)
横山 幸浩 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (80378091)
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今後の研究の推進方策 |
前述のようにTFFは分泌タンパクであり、receptorを介してその作用を発揮している可能性がある。TFF受容体を探索するため、免疫沈降法でTFFと結合するタンパクを抽出し、候補となる受容体(ESR1/2, EGFR, FGFR2, FCRL4, NCOA3, LRP, CXCR4等)とのリガンド受容体ペア形成を探索する。受容体が同定されれば、各肝癌マウスモデルにおいて受容体の発現を比較検討した後に各マウスにrTFFを皮下投与し、腹部超音波を用いて腫瘍サイズを追跡する。これにより受容体発現とTFFによる腫瘍縮小効果の相関を検討し、rTFFによるprecision therapyの可能性を追求する。必要に応じて他のtherapeutic drugとTFFを併用(肝細胞癌であればsorafenib, regorafenib, nivolumab等、胆管癌であればgemcitabine, cisplatin等)し、rTFF投与によるchemosensitivityの変化も検討する。 TFFによる腫瘍免疫への影響を検討するため、腫瘍及び隣接組織(tumor microenvironment)への各種免疫細胞の浸潤を検討する。上記マウス肝癌組織においてCD4, CD8, CD11b/Gr-1およびPD1, CTLA-4等を免疫染色で同定してTFF欠損による変化を検討する。またWTマウスと各TFF欠損マウスより脾臓、骨髄を採取してflow cytometryを用いてそれぞれのT細胞分画の変化を観察する。同時に各分画細胞を抽出し、これらへのrTFF投与による各分画細胞の増殖/活性化およびサイトカイン等(TGFb, IL-10, Arg1, nitric oxide synthase, peroxynitrite等)への反応を比較し、vitroにおけるTFFと免疫との関係を検討する。
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