• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

癌幹細胞の観点から見た肝癌におけるゲノム不均一性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K09145
研究機関京都大学

研究代表者

石井 隆道  京都大学, 医学研究科, 講師 (70456789)

研究分担者 河合 隆之  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00813867)
小木曾 聡  京都大学, 医学研究科, 助教 (10804734)
上本 伸二  滋賀医科大学, 医学部, 学長 (40252449)
福光 剣  京都大学, 医学研究科, 特定講師 (70700516)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード混合型肝癌 / 細胆管細胞癌 / 癌幹細胞 / ゲノム解析
研究実績の概要

【目的】原発性肝癌の大部分は肝細胞癌(HCC)と肝内胆管癌(iCCA)であるが両者の中間的性質を有する亜分類が存在する.同一腫瘍内にHCC成分とCCA成分とを持つ混合型肝癌(cHCC-CCA),細胆管に類似する細胆管癌(CLC)である.本研究は中間的性質をもつこれらの腫瘍の臨床病理学的特徴を検討し,次世代シーケンサーを用いたゲノム解析を目的とした.
【方法】cHCC-CCAとCLCは2005年から2018年の当院における原発性肝癌1035切除例(肝移植を含む)を対象とした.
【結果】cHCC-CCA:cHCC-CCAは17患者20切除例(再発3例を含む), 1.9%に認められた.9患者において再発の病理診断がなされているが,4患者でcHCC-CCAとして,4患者でHCCとして,1患者でCCAとして再発した.遺伝子解析が可能であった症例は13例であった.腫瘍径3cm未満の6例では全例TP53の遺伝子変異を有していたが3cm以上の7症例では1例のみであった.腫瘍径3cm以上の腫瘍は多彩な遺伝子pathwayで変異が見られた.Mutation signature解析ではTP53変異陽性腫瘍はより肝細胞癌に類似したパターンであった.
CLC:CLCは8患者9切除例(再発1例を含む)0.87%に認められた.CLCでは肝炎ウイルスの背景は認めなかったのに対してiCCAはC型肝炎症例が有意に多かった.全生存率ではCLCの方がiCCAより予後が良い傾向にあった.再発に対して2患者で再切除が行われた.1例は肝再発で病理もCLCであり,もう一例はリンパ節転移で病理はiCCAだった.遺伝子解析が可能であった症例は8例であった.ARID1A, KRAS, IDH1, HRAS, GNAS, ARID2, ARID1Bといった胆道癌に特徴的とされているような遺伝子変異を認めた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 肝細胞と胆管細胞との中間的性質を持つK19陽性肝細胞癌,混合型肝癌,細胆管癌における臨床病理学的ならびにゲノム解析2022

    • 著者名/発表者名
      石井隆道
    • 学会等名
      第122回日本外科学会総会
  • [学会発表] 当科における細胆管細胞癌の臨床病理学的特徴2021

    • 著者名/発表者名
      石井隆道
    • 学会等名
      第57回日本胆道学会学術集会
  • [学会発表] 混合型肝癌の臨床病理学的特徴と外科的治療2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤孝
    • 学会等名
      第57回日本肝癌研究会
  • [学会発表] 当科における細胆管細胞癌と肝内胆管癌の臨床的特徴の比較検討2021

    • 著者名/発表者名
      牧野健太
    • 学会等名
      第44回日本肝臓学会西部会
  • [学会発表] 当科における細胆管細胞癌の臨床的特徴2021

    • 著者名/発表者名
      牧野健太
    • 学会等名
      第57回日本肝癌研究会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi