本研究の目的は、肝細胞癌において、腫瘍細胞由来エクソソームを介した前転移ニッチ形成機構の解明と、中心的役割を果たすmiRNAの同定・機能解析により肝細胞癌患者の予後を改善することである。エクソソームの機能・網羅的発現解析により、HuH-7M由来エクソソームにおいてmiR-638、miR-663a、miR-3648、miR-4258の4つのmiRが肝細胞癌の肝内転移に関与していることが解明され、臨床検体を用いた解析により、肝細胞癌患者の手術前血清中miR-638高発現群は、根治切除後の再発率が有意に高かったことを示し、予後予測マーカーとなりうることを示した。
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