研究課題/領域番号 |
19K09150
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山田 耕嗣 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (80528042)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
矢野 圭輔 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (30757919)
加治 建 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任教授 (50315420)
春松 敏夫 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (70614642)
向井 基 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80468024)
武藤 充 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (70404522)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 腹腔鏡 / トレーニング / シミュレータ |
研究実績の概要 |
今年度は前年度に引き続きシミュレータを用いた模擬手術によるデータ収集・トレーニング効果の検証を行った。 内視鏡手術におけるモニターサイズの違いが術者に与える影響についての研究を継続し行った。被験者として医学生と外科医を対象として被験者数を増やし、データの収集を行った。結果に関して現在データの解析中であるが、モニターサイズは一概に大きければ良いまたは小さければよいというものではなく、タスクに応じた至適モニターサイズが存在するという我々の主張を補完するものとなる見込みで、過去に報告例の無い画期的な報告となる可能性がある。 上記に加えて本年度は術者立ち位置とカメラの配置の違いが術者に与える影響の検討を主なテーマとして、手術のエキスパートとしての外科医と手術に未習熟な被験者として医学生を対象とした鉗子運動特性の比較検討を行う計画とした。データの取得には手術映像に加えて3Dトラッキングデバイス(磁気式位置計測装置TrackStar)を用いて鉗子の動きをトレースし、鉗子の移動距離や加速度を測定した。 被験者は特定のタスクを、co-axial、para-axialの2つのポジションで行い、その間の鉗子運動特性を解析した。 結果は、para-axial positionで質の低下が認められたが、操作に危険性は認められないというものであった。このことはpara-axialに対して被験者が不慣れであったことが理由と考えられ、トレーニングによって改善が期待できるという知見に至った。手術の内容によってはpara-axial positionが有利となる状況は生じうるが、立ち位置の違いによる危険性は認められず、鉗子操作は慣れによって改善できると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度はデータの収集を行う計画であったが、順調にデータの蓄積が進んでいることから、術者立ち位置の検討を前倒しで取り掛かっている。 研究結果を日本小児外科学会学術集会及び国際小児内視鏡外科学会にエントリーし採択された。また研究結果を英文誌に投稿するべく準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はシミュレータを用いた模擬手術を行い、トレーニング効果の検証を行う計画である。また術者立ち位置の検討について各種学術集会で発表するべく準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はコロナウイルス感染症拡大に伴い、発表予定の国内、海外学会が中止となったため、旅費を執行する機会が減ったことが要因と考えられる。また学生実習も減少し、シミュレータを用いたレクチャーの機会も減ったため、消耗品の購入費も減ったことも一因と考えている。2021度は、シミュレータを用いた模擬手術のための縫合キット、内視鏡鉗子類等の購入に充てる。
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