| 研究課題/領域番号 |
19K09168
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
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研究代表者 |
渡辺 伸元 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (20746903)
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| 研究分担者 |
梛野 正人 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20237564)
江畑 智希 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (60362258)
横山 幸浩 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (80378091)
國料 俊男 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60378023)
山口 淳平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00566987)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | invisible膵癌 / エクソソーム / バイオマーカー |
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| 研究実績の概要 |
画像診断に基づく膵癌治療には限界があり、画像では診断できないinvisible膵癌（目に見えない膵癌）を診断し治療を行うことが必要である 。本研究の目的は原発巣が膵癌と診断できる膵癌特異的なエクソソームの同定およびその機能を解明することにより、invisible膵癌の診断治 療法を開発することである。
名古屋大学医学部附属病院において、膵癌の診断にて手術施行された患者の術前と術後7日目に採血を行った。この血液サンプルよりエクソソームの分離を行い、分離したエクソソームに関して網羅的マイクロRNAの解析を行った。術前・術後におけるマイクロRNAの発現の変化より膵癌特異的なエクソソームの探索を行った。また健常者血液のエクソソームデータとの比較検討によるマイクロRNAの発現変化に基づく膵癌特異的なエクソソームの探索を行った。
癌細胞は通常細胞より多くエクソソームを分泌することが分かっているが、担癌動物モデルの血液中からは十分回収できない可能性がある。効率的にエクソソームを回収するために、ヒト膵癌由来細胞株KLM1のマウス腹腔内への投与により作成したマウス膵癌腹膜播種モデルを用いた。腹腔内洗浄を行い、腹腔内洗浄液を回収し、腹腔内洗浄液よりエクソソームの分離を行った。分離したエクソソームよりマイクロRNAおよびmRNAを抽出した。またヒト膵癌由来細胞株KLM1の培養液においてもエクソソームの分離を行い、マイクロRNAおよびmRNAの抽出を行った。腹腔内洗浄液と培養液から分離したエクソソームの解析結果の比較検討より、腹膜播種によるエクソソームの変化を検討したが、エクソソームの回収量が不十分なためか、有意な解析結果が得られなかった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
エクソソームの解析は行われているが、膵癌特異的エクソソームに関連するマイクロRNAの機能解析ができていない。
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| 今後の研究の推進方策 |
膵癌特異的エクソソーム関連マイクロRNAの発現と機能解析
ヒト膵癌由来細胞株において同定した膵癌特異的エクソソーム関連マイクロRNAの発現をリアルタイムPCR法などで検討する。膵癌特異的エクソソーム関連マイクロRNAに対して miRNA mimics を作製し、ヒト膵癌由来細胞株へ導入し、標的遺伝子の発現抑制効果をウェスタンブロッティング法、リアルタイムPCR法にて検討する。同時に膵癌特異的エクソソーム関連マイクロRNAに対してmiRNA inhibitorsを作製し、ヒト癌由来細胞株へ導入し、標的遺伝子の発現亢進効果をウェスタンブロッティング法、リアルタイムPCR法にて検討する。
ヒト膵癌由来細胞株への膵癌特異的エクソソーム関連マイクロRNAに対するmiRNA mimics またはmiRNA inhibitorsの導入後、抗腫瘍効果として増殖能、細胞死誘導能、運動能、浸潤能、足場非依存性増殖を検討する。抗腫瘍効果への影響を有する膵癌特異的エクソソーム関連マイクロRNAを選定する。
膵癌特異的エクソソーム関連遺伝子の発現と機能解析
ヒト膵癌由来細胞株での同定した膵癌特異的エクソソーム関連遺伝子をウェスタンブロッティング法、リアルタイムPCR法などで検討する。膵癌特異的エクソソーム関連遺伝子を標的したsiRNAを数種類作成し、ヒト膵癌由来細胞株へ導入し膵癌特異的エクソソーム関連遺伝子の抑制効果をウェスタンブロッティング法、リアルタイムPCR法にて検討する。ヒト由来癌細胞株への膵癌特異的エクソソーム関連遺伝子を標的としたsiRNAの導入後、抗腫瘍効果として増殖能、細胞死誘導能、運動能、浸潤能、足場非依存性増殖を検討する。抗腫瘍効果を有する膵癌特異的エクソソーム関連遺伝子を選定する。
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