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2020 年度 実施状況報告書

大腸癌微小環境におけるケモカイン・シグナルを標的とした治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 19K09170
研究機関京都大学

研究代表者

河田 健二  京都大学, 医学研究科, 講師 (90322651)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード大腸癌 / 骨髄細胞 / 腫瘍微小環境 / 骨髄球 / CCR1 / CXCR2
研究実績の概要

本研究では大腸癌の癌微小環境における癌抑制遺伝子SMAD4と骨髄球の関係に焦点を当てて、とくにケモカイン・シグナルの観点から、1) CCR1陽性骨髄球をターゲットにしたCCL15-CCR1シグナルについて、2) 腫瘍関連好中球(tumor-associated neutrophil: TAN)の大腸癌組織への集積に関与するCXCL1/8-CXCR2シグナルについて、これらのシグナル阻害が大腸癌に対する新規治療法の開発に結びつくかを明らかにする。
1)については、放射線照射後の骨髄移植マウスモデルにおいて、CCR1ノックアウトマウスの骨髄を移植した場合は、皮下腫瘍モデル(MC38細胞)や肝転移モデル(CMT93細胞)のいずれにおいても腫瘍増大や肝転移が有意に抑制された。また我々が開発した抗CCR1抗体を投与したモデルにおいても、抗CCR1抗体投与群は腫瘍増大や肝転移がコントロール群に比べて有意に抑制された。 上記の結果は論文として発表した。
2)については、ヒト臨床検体を用いた検討の結果から大腸癌におけるSMAD4抑制がケモカインCXCL1, CXCL8の分泌を促進し、その結果としてCXCR2陽性好中球が集簇することで大腸癌の腫瘍促進に関与していることが確認された。今後はここから得られた知見をもとに、前臨床試験としてCXCR2ノックアウトマウスやCXCR2阻害剤をもちいたマウスモデルにて検討し新規治療法としての開発も進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通りにおおむね実験計画が進んでいる。現在までに得られた実験結果については論文として発表した。

今後の研究の推進方策

現在までに行なった解析結果を踏まえ、さらに前臨床試験としてマウスモデルにて検討を進め大腸癌に対する新規治療法としての開発を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)有効な利用の為、少額の繰越金が生じた。
(使用計画)次年度の物品費に充当の予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Disruption of CCR1-mediated myeloid cell accumulation suppresses colorectal cancer progression in mice2020

    • 著者名/発表者名
      Kiyasu Y, Kawada K, Hirai H, Ogawa R, Hanada K, Masui H, Nishikawa G, Yamamoto T, Mizuno R, Itatani Y, Kai M, Taketo MM, Sakai Y.
    • 雑誌名

      Cancer Letters

      巻: 487 ページ: 53, 62

    • DOI

      10.1016/j.canlet.2020.05.028.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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