研究課題/領域番号 |
19K09172
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 太郎 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (40368303)
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研究分担者 |
今野 雅允 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (80618207)
石井 秀始 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (10280736)
小関 準 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (20616669)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 化学療法 / 人工知能 / シークエンス |
研究実績の概要 |
我々は人工知能が最も得意とする画像認識技術に着目しこれを、がんの化学療法に応用する ことを目指した。がん細胞のDNA, RNAシークエンスを実施し、そのデータを基に効果のある抗がん剤の組み合わせを決定することができれば、術後化学療法の効果は飛躍的に上昇し結果としてがんの予後改善につながると考えられる。そこで本研究では約200種のがん細胞のDNA,RNAシークエンスデータおよび各々の細胞の265種の抗がん剤への感受性データから人工知能(AI)を用いて深層学習を行いDNA,RNAシークエンスデータから最適な抗がん剤の組み合わせを導き出す治療支援システムの構築を目指した。本年度は、がん細胞の薬剤耐性のビッグデータに基づく解析を進め、ゲノム情報と画像情報から治療応答性を予測する技術を開発した。人工知能(AI)を投入することにより、ヒトのマニュアルの計算では達成できなかったような高度の予測や連関関係をゲノム情報及び形態と臨床像の間に描くことができるようになる。 この研究成果により、従来の標準的な抗がん剤に加えて、新規の分子標的剤や免疫チェックポイント作動薬に関しても、高い精度で効果の予測を行うことが可能となると期待される。 得られた成果は大阪大学の知的財産として登録整備するとともに、産学連携を通じて成果の社会実装を進めるとともに、アントリーチ活動を通じて学術集会や市民活動集会等、さらにはSNSを活用した情報の発信を通じて国内はもとより海外に対しても情報の共有とサステイナブルな医学の進展に貢献していく成果が得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
DNA, RNAシークエンスデータを用いた技術の特許化を進めて、大阪大学が承継し、JST支援の形での知財の整備を完成させた。前臨床試験としての開発を進めて、実現可能性試験を経て、臨床試験に進めていく計画である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)前臨床試験としての開発を進めて、実現可能性試験を経て、臨床試験に進めていく計画である。 (2)データからは各遺伝子のスプライシング情報も読み取ることができる。 (3)二次元バーコードを利用した最適抗がん剤選択システムの開発 作成した各がん細胞の二次元バーコードデータとそれに対応する既存の抗がん剤への感受性データを用いて深層学習を行う。 (4)実装したCNNを用いて最適な抗がん剤の組み合わせの決定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
該当しない。なお、新型コロナ感染症の影響で、試薬等の入手が遅延していたが、大阪大学における共同研究設備と活用すすることにより、作業の平準化を進めて、影響を最小限に止めることが可能であった。研究内容の重複等はない。
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