研究実績の概要 |
我々は人工知能が最も得意とする画像認識技術に着目しこれを、がんの化学療法に応用する ことを目指した。がん細胞のDNA, RNAシークエンスを実施し、そのデータを基に効果のある抗がん剤の組み合わせを決定することができれば、術後化学療法の効果は飛躍的に上昇し結果としてがんの予後改善につながると考えられる。そこで本研究では約200種のがん細胞のDNA,RNAシークエンスデータおよび各々の細胞の265種の抗がん剤への感受性データから人工知能(AI)を用いて深層学習を行いDNA,RNAシークエンスデータから最適な抗がん剤の組み合わせを導き出す治療支援システムの構築を目指した。本年度は研究の最終年度としてゲノム情報によるビックデータの機械学習の特徴表現の抽出と、その結果に基づく難治性消化器がんである、膵臓がん、胆道がん、転移性大腸がん、食道がん、さらに進行肝臓がんに対する薬物療法や免疫チェックポイント阻害剤の最適化に向けた、情報基盤を構築することができた。この知見は、薬物療法に加えて放射線療法や手術の最適化に応用することが可能であり、AIホスピタルを含めた実臨床への社会実装に貢献することができた。
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