研究課題
P-錯体の近傍にグルコース部位を連結すると高いΦΔ を示したが、PDT活性にがん細胞株依存性が見られた。この依存性は、軸配位子にEGアルキルエーテルを導入したP-錯体と同様の傾向であった。グルコース部位を、n = 4のEGリンカーを介して連結すると、ΦΔは低下した。しかし、PDT活性に細胞へのGnの取り込み量に時間依存性が見られ、NOZおよびHepG2の両方でPDT活性を示した。したがって、P-錯体へのグルコース部位の連結方法を最適化することで、Gn の取り込み過程が変化し、PDT活性が向上したと考えられる。EG型錯体PSとLEDによるPDTによりMitoTracker蛍光を用いPSの主たる局在がミトコンドリアであることを確認し、OXPHOS活性低下からミトコンドリア障害誘導機序を解明した。FCMによりPDTによるアポトーシス誘導を確認しアポトーシス抑制因子であるBcl-xLの低下、促進因子であるBax、cytochrome C、cleaved caspase-3増加を証明した。ポルフィリン錯体のイソバクテリオクロリン体、およびクロリン体の可視光吸収波長はそれぞれ、645nmと660nmであり、現在用いられているヒト正常細胞に安全な波長での吸光を示し、ヒトの体温に近い36℃台での安定した環境で実験できる装置を開発した。プレートと照射装置の間に断熱材をいれ、LEDの熱をプレートに伝えなくする工夫が必要と考え、様々な絶縁材料を挿入することでその効果を検証した。その結果、LEDのヒートシンクである銅板上部に厚さ1mmの空気層を設け、かつその上にはLED光の吸収が5%以下のアルミ製ヒートシンクを増設・併用することで、点灯によるウォーミングアップなしに30分間37度台を維持でき、なおかつ各ウェル間の温度差は最大で±0.2℃におさえることが出来るようになった。2編の論文化がなされた。
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Curr Oncol
巻: 28 ページ: 4067-4079
10.3390/curroncol28050345.