研究課題/領域番号 |
19K09182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小菅 敏幸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00457946)
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研究分担者 |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 癌幹細胞 / 炎症性サイトカイン / TNF-α |
研究成果の概要 |
ヒト食道扁平上皮癌細胞株(TE4、TE8)からの癌幹細胞の分離・培養に成功した。TE4、TE8(非癌幹細胞)を炎症性サイトカインTNF-αで刺激したところ、細胞増殖抑制、アポトーシス亢進、ALDH1発現低下を認めた。一方、TE4、TE8癌幹細胞を直接にTNF-αで刺激したところ、sphere形成能低下、アポトーシス誘導、ALDH1発現低下を認めた。Migration assayにおいては、TNF-α刺激にて非癌幹細胞では細胞遊走能が抑制されたが、癌幹細胞では遊走が促進された。以上より、「TNF-α刺激により食道扁平上皮癌幹細胞の癌幹細胞性は減弱するが、遊走能は促進される」ことを明らかにした。
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自由記述の分野 |
消化器外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、化学療法への耐性獲得や治療後再発には癌幹細胞という少数の細胞集団が関与することが報告されており、癌幹細胞を標的とした新規治療の開発が望まれている。一方、炎症性サイトカインが癌細胞の生物学的活性に影響を与えることも明らかになってきたが、これまでに炎症性サイトカイン刺激による癌幹細胞の反応性について詳細に検討した研究報告は存在しない。本研究は、「TNF-α刺激により食道扁平上皮癌幹細胞の癌幹細胞性が減弱するが、遊走能は促進される」という全く新たな知見を明らかにしたという点で、学術的・社会的に意義があると思われる。
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