研究課題/領域番号 |
19K09186
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
坂本 義之 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (60361010)
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研究分担者 |
工藤 大輔 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (00587024)
袴田 健一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (30271802)
諸橋 一 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (30598628)
三浦 卓也 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (30722136)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヒアルロン酸合成阻害剤 / 細胞外マトリックス / 血管新生因子 |
研究実績の概要 |
本研究で用いるヒアルロン酸合成阻害剤である4-methylumbelliferone (MU) は、当初胆汁排泄薬として創薬され、一般に胆石症などの治療薬として広く臨床の 場で使用されており、既に人体に致死的な副作用が無いことが確認されている薬剤である(Therapie 1968)。MUは新規血管新生阻害剤として、従来の血管新生 阻害剤の欠点を補い、安全に長期投与が可能なことから、理想的な抗癌剤になり得ると考えられる。 申請者は「大腸癌では細胞外マトリックスに存在するヒアルロン酸が関与する微小環境の下で、癌の浸潤性増殖や腫瘍血管新生が行われている」との仮説に基づき、この分子機序を解析することで大腸癌微小環境における病態が解明され、新たな血管新生阻害剤の開発に応用できるとの考えに至った。 現在、低酸素培養下ヒト大腸癌細胞株でヒアルロン酸と血管新生因子との関連を解明するため、種々の濃度で培養したヒト大腸癌細胞株で、低酸素誘導因子 (HIF1-α) と血管新生関連因子(VEGF,bFGF,ephrin)の発現変動をリアルタイムPCR法・Western blot法で解析中である。また大腸癌細胞株とヒト骨髄由来間葉 系幹細胞(hMSC)との共培養は、transwellを用いた間接法、直接共培養(直接法)で行っている。共培養において、MUでヒアルロン酸を低から高発現に調整し 増殖、浸潤、血管新生への影響を調べる。ヒアルロン酸発現による増殖能をMTS assayで、浸潤能をMatrigel Invasion assayで、血管新生因子VEGFなどでは ELISA法またはWestern blot法で解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染症拡大による業務制限のため、有効な時間配分ができず実験の進捗状況に後れを生じた。今後、その遅れを取り戻すよう誠心誠意努力するつもりである。
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今後の研究の推進方策 |
実験が思うように進まなかったため、臨床的側面からのアプローチを行い、「A prospective multicenter phase II study on the feasibility and efficacy of S-1 and oxaliplatin neoadjuvant chemotherapy for lower rectal cancer」を投稿した(Disease of the colon and rectum, in press)。今後はその結果と合わせて研究を進め、有意義な成果をあげたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今回、投稿した論文は臨床的には非常に意義深い論文である。これに基礎的な実験結果を組み合わせることで、より説得力のあるデータを示すことができると考えている。そのため、その実験に必要な各種抗体や実験試薬、各種kit、備品を購入予定である。
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