研究課題
細胞実験に進む根拠として、免疫染色における相関が認められていないため継続して手術検体における免疫染色の条件設定および臨床病理学的因子の検討を継続して行ってきた。最近の検体も含め、検体数を増やして検討を行った。1998年から2019年までの21年間まで対象症例をふやして染色を行った。腫瘍組織における染色強度は、29例が弱発現、46例が強発現であった。高発現群と低発現群の間で予後に差は認められなかった。また、さらにGankyrinの発現との発現相関を検討したところ、有意差には至らなかったものの、IL-32強発現群にGankyrin強発現が多かった(p=0.075)。また肝のStemnessMarkerである、OV-6、Oct-4との発現に相関は認められなかった。臨床病理学的にも、リンパ節転移、血管浸潤などとも相関は認められなかった。そこで、腫瘍細胞周囲の間質におけるIL-32発現の評価を行ったところ、腫瘍細胞におけるGankyrin発現との相関は認められなかったものの、腫瘍間質におけるIL-32高発現群は有意に予後が不良であった。臨床病理学的因子の検討では、間質におけるIL-32高発現群は動脈浸潤および胆管浸潤をきたしている症例が有意に多かった。ただし、腫瘍細胞におけるStemness marker(Oct-4,CD133,OV-6など)の発現と間質におけるIL-32発現の間に相関は認められず、IL-32発現が腫瘍細胞にどのような影響を及ぼし、予後に影響を与えているのかはさらなる検討が必要と思われる。
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